「世界規模の水準に到達したロワールのワイン」

去る11月、パスカリン・ルペルティエPascaline Lepeltierが歴史に名を刻みました。37歳、女性で初めてフランス最優秀ソムリエの称号を獲得したのです。しかも、フランス最優秀職人に選ばれてから数週間後という快挙でした。アンジェ出身の彼女は、現在ニューヨークのフレンチレストラン、ラシーヌRacinesで働いています。フランスワイン大使であり、またロワールワインの絶大なサポーターでもある彼女にお話を伺いました。

「現在働いていらっしゃるレストランは、2500もの豊富な種類のワインを提供しており、そのほとんどがフランスワインですね。フランスワインは、常に人気が高いのでしょうか?」

パスカリン・ルペルティエ(以下PL):フランスはまだまだ、そして常にワイン大国です。フランスワインは究極の基準であり、その点では、他の誰も競争相手となりません。本当に誰も、です。イタリアは銘柄ワイン、バローロを生産しますが、ブルゴーニュやボルドーといったフランスの銘柄ワインとは比較になりません。‘原産地統制呼称’と呼ばれるフランスの品質保証は、一部のワイン生産者たちを拘束しているようにみえますが、その土地で、テロワールを表現するワインの醸造にとって、理想的なシステムでもあるのです。

「フランスワインはオーストラリア、チリ、アルゼンチンやアメリカ合衆国のワインに比べて高いとよく言われますが・・・。」

(PL)1本あたり5ドル程度の最安値帯では、フランスワインは大きな損失を受けます。スーパーで販売しているような、ブドウの果汁をベースとしたアルコール飲料に関しては、フランスの競争力はそれほど高いわけではないのです!でも現地のブドウ品種から作られる表現力のあるワイン熟成させることができて皆様を夢中にさせるワインに関しては、話が違います。1本あたり15ドル以上のワインであれば、品質と価格のバランスが素晴らしいと言えます。フランスほど、首尾一貫したワイン生産を行っている国は、他にはありません。フランスには、実に世界でも類まれなワイン醸造の遺産があるのです。

「アメリカの人々は、ワインについて詳しい知識がありますか?」

(PL)例えばニューヨークでは、ワイン愛好家、いえ、ワイン熱狂者とでもいうべき人々が、毎年数回フランスに行き、ワイン蔵を訪問して試飲します。ブルゴーニュワインについては、私以上に詳しい人もいるでしょう!さらに、フランスのワイン生産者が大西洋を渡ってきています。それもそのはず、ニューヨークは一大市場ですからね。現地ではいつも試飲会が行われていますし、ワイン愛好家たちもフランスの生産者と会って、直接ワイン談義に花を咲かせ、試飲することがとても好きなのです。

フランスには、世界でも類まれなワイン醸造の遺産があるのです。

「今、追い風に乗っているワインを教えてください。」

(PL)フランスを代表する銘柄ワインの売れ行きは、いつも好調です。ただ、まだそんなには知られていない、それほどのハイスペック銘柄ではないワインにもとても人気があります。
例えばジュラ地方のアルボワArbois、サヴァニャンSavagninsは、人気急上昇中です。コート・デュ・ローヌ北部ロワール渓谷のワインも人気がありますね。
またニューヨークでは、ナチュラルワイン(有機栽培のブドウでつくられるワイン)やバイオダイナミックワイン(有機農法&天体の動きを農作業に取り入れてつくられるワイン)が、大変なブームになっています。

「あなたはアンジェで幼少期を過ごしていらっしゃいますから、ロワールワインの人気上昇を喜んでいらっしゃるかと思いますが・・・。」

(PL)もちろんです。そしてそれは、全く正当なことと思っています!ロワールワインは、信じられないほど品質と価格のバランスがとれています。辛口の銘柄白ワインについては、特にそれが顕著ですね。例えば、アロマの点で言うと、ミュスカデの中には、とても素晴らしいものがあります。口に含むとフレッシュで適度な酸味と、繊細で味わい深くて少し塩分を含んだ香りで満たされます。もしピノ・ノワールがお好きでしたら、見事なサンセールもありますよ。
発泡ワインでは、ヴーヴレイの周辺で作られるクレマン・ド・ロワールを味わってください。ロワールワインは、懐にとてもやさしいお値段ながら、世界規模の水準に達しましたね。

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