シュノンソー、思い出に残る城

シュノンソー城

〈そのほとんど控えめな魅力は私邸のそれであり、偶然にもそこは、なにより女性たちの住まいだった〉マルグリット・ユルスナール

ユネスコの世界遺産に登録され、もとはベネチアの宮殿に想を得て造られたシュノンソー城。その稀有なたたずまいは世界的に有名です。城の周囲に広がるのは、自由に散策を楽しめる森と歴史ある庭園が織りなす美しい景観。庭園はそれぞれアンリ2世の妻と愛妾、つまり王妃カトリーヌ・ド・メディシスとそのライバル、ディアーヌ・ド・ポワティエの思い出を今に伝えています。城はさらにもうひとつ、「ラッセル・ペイジへのオマージュ」と名付けられた新しい秘密の庭園も抱え持っています。高名なイギリス人造園家に捧げられたこの庭を飾るのは、フランスの著名なブロンズ彫像家、フランソワ=グザヴィエ・ラランヌの作品の数々。さらにシュノンソーのシンボルといえば、「ロワール渓谷のヴェッキオ橋」との異名を持つあのアーチ橋でしょう。美と秩序と建築様式が、このエレガントな橋と庭園のあいだのハーモニーを生み出しています。シュノンソーは、人と自然が見事に融和した城なのです。

記事内1 MG 0658©Chateau de Chenonceau©Dominique Couineau / château de Chenonceau

カトリーヌ・ブリソネ、ディアーヌ・ド・ポワティエ、王妃カトリーヌ・ド・メディシス、アンリ3世の王妃ルイーズ・ド・ロレーヌ、ルイーズ・デュパン、マルグリット・プルーズ――「シュノンソーの貴婦人たち」はきらめく水面にそれぞれの秘密を沈め、以来、この城はここを建て、ここに住まった女性たちの魂を刻んでいます。
ルネサンス期を代表するこの至宝の城は、フランス史に彩られてきました。城の白い繊細なシルエットは、女性の優美さをあますところなく表現しており、この城をこよなく愛した「貴婦人たち」の影響が見て取れます。
白く輝くファサード、橋の軽やかなアーチ、小塔の官能的な曲線が人々の目を惹きつける一方で、城内の見学可能な部屋のそれぞれでは、摘み立ての花を使った美しいフラワーアレンジメントが内部の美しさをさらに引き立ており、訪れた人を日替わりで楽しませています。

花工房の美しい歴史

シュノンソー城を言い表すのにぴったり言葉といえば、「格別」でしょうか。
なにしろその優雅たたずまいとその歴史から、この城はつねに女性たち……つまりフランス史に名をとどめる王妃や宮廷の貴婦人たちに愛され、大切に守られてきたのですから。そしてもうひとつ特筆すべきは、25年以上前からフランスで唯一、花工房を備えているということでしょう。工房では2人のフラワーアーティストが年間を通じて毎日、きびきびと立ち働いています。1ヘクタール超の花畑を自由に使い、シュノンソー城を最高にエレガントな城にするために、目の覚めるようなブーケを考案、製作しているのです。おかげで城を見学する人は、お客さまを迎える準備が万全に整った私邸に迎え入れらたような感覚にとらわれます。

記事内2 MG 0609©Chateau de Chenonceau©Dominique Couineau / château de Chenonceau

花の舞台演出家、ジャン=フランソワ・ブシェ

花工房の責任者、ジャン=フランソワ・ブシェは国家最優秀職人章(MOF)に輝くこの道のスペシャリスト。彼の独創的なクリエーションは、シュノンソーの色彩のパレットとこの場所から生まれ出る美を日ごとに反映しています。

シュノンソーのクリスマス

クリスマスは城のフラワーアーティストにとっては3カ月を超える準備を意味します。なにしろ考案、創作、研究を経てようやく実現にこぎつけるのですから。クリスマスの特別イベントの期間は1カ月。居室、ギャラリー、厨房、小部屋、サロンのそれぞれがアーティストたちにインスピレーションを与え、その結果生み出されるすばらしい作品はつねに新しさをまとっています。壮麗なブーケ、クリスマスツリー、インスタレーション、プレゼンテーションはまさに魅惑の出来ばえ……。自然の素材がスペシャリストの手によって、ときには意外性すら感じさせるとびきり美しいクリエーションに変わり、サプライズを演出しています……。

記事内3 MG 0671©Chateau de Chenonceau©Dominique Couineau / château de Chenonceau

今年のクリスマスイベント

2020年12月19日~2021年1月3日:白とゴールドの花のクリエーション、緑と赤という伝統のクリスマスカラーをまとった4.5mのモミの木、壮麗で色鮮やかなブーケ、モミの木の森に早変わりした大ギャラリーでの雪で覆われたサプライズなど。

2021年の新着情報

夏:ロワール渓谷を代表するワインツーリズム関連イベント「星空の下でのテイスティングDégustation sous les Etoiles」
秋:「ルソーの驚異の科学の小部屋Cabinet de Curiosités Scientifiques de Jean Jacques Rousseau」のオープン
通年:フローラルアートのマスタークラス、植物園見学、ワインツーリズム関連見学、歴史あるカーヴでのテイスティング(いずれも要予約)

お問合せ先:
予約課
デルフィーヌ・ドゥクラエンヌ Delphine Decraene
ブノワ・ステッケン Benoit Stecken
Tel :+33 (0)2 47 23 44 06
welcome@chenonceau.com
www.chenonceau.com

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