すぐにでもイヴ・サンローラン美術館を見学したい理由とは

イヴ・サンローラン美術館(musée Yves Saint-Laurent )は、パリ市内マルソー通り('avenue Marceau)にあったメゾンの本拠地に2017年10月3日にオープンしました。。1957年にクリスチャン・ディオールでそのキャリアをスタートさせた、フランスを代表する偉大な復職デザイナーにオマージュを捧げています。新しく登場したオートクチュールの殿堂であるこの美術館をなぜいち早く見なくてはいけないのか、理由は5つ。

開館記念展に拍手喝采

イヴ・サンローラン美術館開館を祝う特別展が開催され、2018年8月まで、厳選された50点ほどの作品が、アクセサリーやデザイン画、写真やビデオなどとともに展示されます。20世紀の服飾デザイナーを対象とした展覧会としては、世界初の規模を誇ります。ファッションの都ならではのこの特別展、絶対に見逃したくないものです。

聖地訪問(再訪)

オートクチュールブランド、イヴ・サンローランの顧客であるという幸運に恵まれなければ、マルソー通り5番地を訪れたことはないはず。イヴ・サンローランは1974年から2002年まで30年近く、セーヌ川やアルマ橋からほど近い第二帝政期に建てられた邸宅でコレクション発表のための創作活動を行っていました。アトリエには仕立て職人やお針子さんなど200人近いスタッフが働き、サンローランの作品に命を吹き込んでいたのです。展示室装飾を手がけたのはジャック・グランジュ(Jacques Grange)とナタリー・クリニエール(Nathalie Crinière)の二人。オートクチュールの聖地をぜひ訪れましょう。

創作の過程を知る

イヴ・サンローランが作業をしていたアトリエやサロンが一般公開されます。オートクチュールのコレクションがどのように準備されて行くのか、その創作の過程を知り、サンローランの天才ぶりに触れることができます。美術館は単に洋服やアクセサリーを見せるだけでなく、20世紀におけるオートクチュールとは何かを提示し、ひとつの生き方の証を示す場となっています。

巨匠の願いを叶える

自分の作品が後世に伝わってほしいか尋ねられたイヴ・サンローランは、100年たっても自分の服やアクセサリーが研究されるようであって欲しい、と答えています。2008年に72歳でこの世を去った大家に敬意を表するのに100年待つなど言語道断。スモーキングスタイルの女性用タキシードやサファリルック、そしてモンドリアンルックなどイヴ・サンローランを象徴する作品が、今でも後進のデザイナーたちやファッション好きの女性たちに絶大な影響を与え続けていることは疑いの余地もありません。

もっとも有名なファンを知る

アーティストを始め、多くの人がイヴ・サンローランをカリスマとして仰ぎました。カトリヌ・ドヌーブもその一人。崇拝者であり、親しい友でもありました。彼女は映画の中でも私生活でも、常にイヴ・サンローランの服をまといました。ピエール・ベルジェ=イヴ・サンローラン財団では、美術館での展示を通じ、サンローランの映画に関わる仕事を紹介します。また、。ベルナール・ビュッフェやアンディ・ウォーホル、アーヴィング・ペン、リチャード・アヴェドン、ヘルムート・ニュートン、ジャンルー・シーフなど著名な画家や写真家によるサンローランのポートレートも合わせて展示されます。芸術が芸術を触発する瞬間を目撃しましょう。


美術館オープンを一ヶ月後に控えた2017年9月8日、ピエール・ベルジェが死去し、新しい美術館の象徴性が高まりました。1958年よりサンローランのパートナーであり、ピエール・ベルジェ=イヴ・サンローラン財団のプレジデントであったベルジェは、何年も前から美術館のプロジェクトを進めていました。美術館は、創作に人生を捧げた二人の男の証でもあります。