ヴェルサイユ宮殿の隣にある「菜園」に隠された秘密とは?

過去から未来へと継承される壮大なプロジェクトだった!

世界中から多くの旅行者が訪れるヴェルサイユ宮殿。何度訪れてもその豪華絢爛な造りに心動かされる人は少なくありません。この宮殿の南側に、ルイ14世が命じて造らせた菜園が現在も残っていることをご存知でしょうか?旅行ガイドブックで詳しく取り上げられることは少なく、ツアーで訪れることも稀なので、意外に知られていないのですが、「王の菜園(Le Potager du Roi)」と呼ばれるこの菜園は、ルイ14世の食に対する強いこだわりを今でも感じられる貴重なスポットとなっています。

9ヘクタールにも及ぶ広大な菜園は、1683年にルイ14世の食卓に並ぶ野菜や果物を育てるために造られました。当時の最先端の技術を駆使した栽培方法の名残は、今も見て取れます。例えば、周囲の壁の高さ。これは作物を風から守るだけではなく、壁が蓄える太陽熱を利用して寒さに弱いイチジクやメロンを栽培するための技術だったのです。堆肥の使い方を工夫して、当時、旬ではない時期にイチゴを育てたり、ということも行なっていたようです。

王の菜園は、21世紀の今もなお現役。現在、果物400種と野菜350種が栽培さており、毎年15トンの野菜と20~40トンの果物を収穫しています。昔ながらの果樹剪定の技術や、希少種の保存・継承が菜園の大切な役割ですが、一方で合成化学肥料の使用を減らす農法の実践など、常によりよい菜園の在り方を模索しています。ヴェルサイユ宮殿が過去の遺産であるとするならば、この菜園は過去から未来へと受け継がれている“壮大なプロジェクト”といえます。

菜園を歩いていると、実にさまざまな作物が育てられており、見ていて飽きることがありません。ルイ14世の大好物だったグリーンピースやイチゴ、後にカリブや南米にも送られ世界的な普及に大きく貢献したコーヒー、日本のシェフ三國清三氏の提案で栽培が始められた京野菜などなど。さらに、マリー・アントワネットが愛したというりんごやバラも必見です。

この菜園で採れた作物を口にすることは、さすがにできないかも……と思うかもしれませんが、実はそれらを味わうことができるのです。菜園の入り口近くにあるショップでは、毎朝菜園で採れた作物が並び、地元の方や“食”通たちの人気を集めています。また、日本へのおみやげに最適な、菜園のりんごやバラで香りをつけた品々を老舗紅茶ブランド「ニナス」が発売しています。紅茶(オリジナルマリー・アントワネット ティー)やスパークリング・ワイン(オリジナル マリー・アントワネット ロゼ)、のほか、華やかな香りのソープ(オリジナル ジャルダン・カシェ ド マリー・アントワネット)もあり、王の菜園のショップのほか、パリのヴァンドーム広場の近くにあるニナス・パリ本店でも手に入れることができます。

次にヴェルサイユ宮殿を訪れる際には、王の菜園にも出かけてみてはいかがでしょう。

「王の菜園」情報も掲載しているガイドブック

『地球の歩き方MOOKハンディ パリの歩き方2016-17』が人気。

よくある大きな雑誌サイズの旅行ガイドは、写真が豊富で読みやすいけれど、バッグにも入れられず、肝心な街歩きに持ち歩けないというデメリットが・・・。雑誌のような読みやすさで、持ち運びやすく工夫されているガイドブックの登場は、旅行者の願いでした。その声に応えたのが、海外旅行ガイドブックの老舗的存在である『地球の歩き方』を発行するダイヤモンド・ビッグ社。『地球の歩き方MOOKハンディ パリの歩き方2016-17』は、まさにちょうどいいサイズ。雑誌のようなレイアウトで分かりやすく、なおかつバッグに入れて持ち歩けるサイズ(タテ227mm×ヨコ184mm)なのです。ガイドブックを作り続けてきた同社が研究を重ねて完成させ、全国の書店で発売中です。今回、ご紹介した「王の菜園」の少しディープな情報も掲載されています。

『地球の歩き方MOOKハンディ パリの歩き方2016-17』

発売日:2015年9月10日

発売元:ダイヤモンド社

定価:1000円+税

ISBN-10:4478047944

オンラインでのガイドブックの購入はこちら (外部リンク)

ニナス(NINA’S)29 rue Danielle Casanova 75001 Parishttp://ninasparis.com/fr/ (外部リンク)

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