南西フランス観光都市3選【ニーム/モンペリエ/トゥールーズ】

ユニークなフランス旅行を楽しみたい方には、フランス南西部のオクシタニー地方をお勧めします。広大な自然と歴史や文化に富んだこの地方を訪れるなら、絶対に外せない3つの街を紹介していきます。

南西フランスの観光都市3選

フランス南西部に広がる地方は「オクシタニー」と呼ばれています。実は2016年の地方再編によって新しくできた地方で、まだその名前は一般に浸透していないかもしれません。
コントラストに富んだ大自然、そして様々な文化と歴史が入り混じった独特の魅力は、着実に日本人観光客の心をつかんでいます。(⇒「南フランス・オクシタニー地方 :日本人に人気の、新たなデスティネーション」

2019年の夏には、人気インスタグラマーのbonponさんご夫妻 (外部リンク) にも訪れていただきました。
⇒「bonponさんオクシタニー・南フランスの旅」

広大な土地には、やはり数えきれない観光スポットがありますが、その中でも訪れるべき3つの街(ニーム、モンペリエ、トゥールーズ)の見どころを紹介します。また、これらの比較的大きい街を拠点にして巡ることのできる、近郊の観光スポットも併せて紹介しています。

ニーム:フランス最古のローマ都市

ニームは、フランス最古のローマ都市として知られています。円形闘技場、古代神殿メゾン・カレ、マーニュの塔など、ローマ期に造られた荘厳な建築が遺構として数多く残され、訪れる人々に2000年前の歴史を物語ります。ですが、ニームの魅力は歴史的建造物だけではありません。現代建築の巨匠ノーマン・フォスターが手がけた現代美術センター&メディア資料館カレ・ダールがあるのもニームなんです。

必見スポット

・円形闘技場
紀元1世紀末、ローマのコロッセウムとほぼ同時期に建立された円形闘技場。現存するローマ闘技場の中でも、最も保存状態の良い闘技場とされ、毎年夏には多くのコンサートが実施されます。

近郊の観光地

・ポン・デュ・ガール
約2000年前にユゼスの水源からニームへ水を運ぶため、約50㎞の導水路として建設されたローマ期最大の水道橋。地上48メートルの高さを誇るその姿は圧巻です。

モンペリエ:オクシタニーの玄関都市

モンペリエは、地中海に面したオクシタニー地方の玄関都市です。街の中心のコメディー広場には、ギリシャ神話に登場する三美神の各女神(Euphrosyne, Thalie, Aglae)を装飾した三美神(Les Trois Grâces)の噴水が堂々と佇み、行き交う人々を見つめています。モンペリエは創造の町としても知られ、街中で現代アートを目にすることができます。サン・ロック地区へ行けばデザイナーの工房やブティックがあり、2012年からは、デザイナーのクリスチャン・ラクロワが手掛けたカラフルなトラムウェイ3番線、4番線が運行しています。その一方で、1000年以上の古い歴史を誇るモンペリエにはヨーロッパ最古の医学部のあるモンペリエ大学が残り、現在でも機能している他、70を超す古い邸宅が残っています。

必見スポット

・ファーブル美術館
絵画、彫刻、グラフィック・アート、装飾芸術など、幅広い時代の秀逸なコレクション約800点を一般に公開しています。その所蔵品の質の高さから、フランス屈指の美術館のひとつに数えられており、国際的に有名なアーティストを取り上げた企画展を定期的に開催しています。

近郊の観光地

・カルカッソンヌの城塞とシテ
キリスト教異端カタリ派の都、カルカッソンヌのシテには全長3kmの二重になった城壁と、周囲のブドウ畑を見下ろすように佇む52の塔があり、その内部にコンタル城、旧市街が広がっています。
・ミヨー高架橋
ミディ・ピレネー地方の主要な観光メッカ。主塔の高さは343メートルにも達する、タルン川渓谷に架かる世界一高い道路専用の斜張橋です。世界中から観光客が訪れ、その優雅な姿を見つめています。

トゥールーズ:オクシタニーの中心都市

トゥールーズはオクシタニー地方のもう一つの玄関都市、かつ最大都市。18世紀に建造された壮麗な市庁舎キャピトル、アセザ館をはじめとするパステル商の豪邸サン・セルナン・バジリカ聖堂ジャコバン修道院などレンガ作りの宗教建築、‘骸骨の壁’コレクションで話題のトゥールーズ・ミュージアム、ガロンヌ河やミディ運河のクルージングなど、見どころはたくさん。

必見スポット

・エアバス社組み立て工場とシテ・ド・レスパス
航空宇宙産業の拠点として知られるトゥールーズにはエアバス社の本社があり、一般の人も入場可能です。世界最大の総2階建て大型旅客機A380やキャラベル機、コンコルド機を実際に見学することができます。宇宙開発を主題にしたテーマパーク、シテ・ド・レスパスでは3Dを駆使した臨場感溢れるスリル満点の映像をご覧頂けます。

近郊の観光地

・ピック・デュ・ミディ
ピレネー山脈にあるピック・デュ・ミディの頂上にはロープウェイで登ることができます。頂上には130年の歴史を誇る天文台があり、ピレネーの山脈の頂き、南西部の平野など300㎞向こうまでを見渡すことができます。 ピレネーの中で最も美しく、忘れがたきパノラマを楽しむと言ったらここしかありません。

おまけ:オクシタニー地方を巡る

フランスの他の地方では感じられない、オクシタニー地方ならではの魅力について紹介します。また、オクシタニー地方での年間イベント情報も合わせてご覧ください。

ローマ人が生きた時代に思いを馳せて

時は1世紀末、 ニームはローマ帝国の植民地であった時代。町の中心部には住民の娯楽のため、2万人を収容できる劇場が建設され、闘牛や闘技が行われていました。2000年以上の月日が経った今日でも、ニームの円形闘技場はその保存状態の良さで知られ、夏季にはコンサートやスペクタクルの会場となっています。ニームだけでなく、フランス南部には多くのローマ人の名残があり、旅を進めるにつれて数々のローマ遺跡に出会うことでしょう。モンペリエにはローマ街道があり、近郊にはローマ水道橋ポン・デュ・ガールがあります。トゥールーズへ行けば古代を専門に扱う聖レイモン博物館もあり、“バラ色の街”といわれる所以のレンガ色の建物(かつてローマ人がこの地域で豊富に採取できる粘土をもとに民家を建設したことから)を見ることができます。散策しながらローマ人が生きた時代に思いを馳せてみてはいかがですか。

家庭的で心のこもった温かい南西部の食

フランス南部の料理に舌鼓を打ちましょう。ニーム、モンペリエ、トゥールーズにいらっしゃったら是非、郷土料理レストランを訪れ、オリーヴオイルをふんだんに取り入れた色鮮やかな料理をお召し上がり下さい。海と山に挟まれたフランス南西部は豊富な特産品を誇ります。ニームの名物は塩タラすり身の「ブランダード」、オリーブを使ったタプナード、パイ包みトゥルト。トゥールーズでは名物カスレとソーセージ、白インゲン豆のスープガルビュール、鴨マグレ、フォワ・グラなどがお勧めです。どなたにもきっとご満足いただける多種多様な食文化がみられるのもフランス南西部ならでは。スウィーツをお探しの方は、トゥールーズの名物菓子スミレの砂糖漬けやモンペリエのギモーヴ、グリゼット飴がお勧めです。

年間イベント

4月: ニームの円形闘技場で開催される歴史再現スペクタクル「古代ローマの宗教祝祭」
6月: トゥールーズの音楽祭「リオ・ロコ」、電子音楽祭「シエスト・エレクトロニーク」
6月/7月: モンペリエ・ダンス・フェスティバル
6月/8月: カルカッソンヌ・フェスティバル
7月: ラジオ・フランス&モンペリエ音楽祭
7月/8月: マルシアック・ジャズ・フェスティバル、シルヴァネス国際宗教音楽祭、プラード・カザルス音楽祭

参考になるサイト
ニーム観光局(http://www.nimes-tourisme.com (外部リンク) )
モンペリエ観光局(http://www.ot-montpellier.fr (外部リンク) )
トゥールーズ観光局(http://www.toulouse-tourisme.com (外部リンク) )

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