ノルマンディー地方

バライティー豊かな景観

海に面した北西フランス ノルマンディー地方では、切り立った海岸線のエトルタの断崖は一押しの観光名所。エトルタの近くには風光明媚な漁港も点在しています。

英仏海峡に臨むコタンタン半島の沿岸部では、湿地帯、ランド(荒野)、断崖などの変化にとんだ地形が、世界的観光地モン・サン・ミッシェルまでモザイクのように続きます。

内陸部オルヌ県のアランソン近郊には、ノルマンディー・メーヌ地方自然公園とペルシュ地方自然公園があり、エコツーリズムが楽しめます。

豊饒な歴史・文化遺産

歴史・文化遺産も負けてはいません。歴史の香りあふれる町といえば古都ルーアン。中世の面影が残る旧市街と、そこに建ち並ぶこの地方独特のハーフティンバー(木骨組み)の家々は、訪れた人をジャンヌ・ダルクの時代へと誘います。

ル・アーブル は第二次世界大戦後に建築家オーギュスト・ペレの手で再建された大型商業港湾都市で、UNESCOの世界遺産に登録されています。

カンでは女子修道院Aが、ノルマン・コンクエスト(イングランド征服)を行ったノルマンディー公ウィリアム(ウィリアム征服王)とマティルダ王妃の愛を今に伝えています。このノルマン・コンクエストの様子は、バイユーのタピストリーにも描かれています。

一方、オート・ノルマンディー地方は印象派発祥の地。ジヴェルニー印象派美術館、クロード・モネ財団(モネの家と庭園)、モネの30点ほどの作品のモチーフとなったルーアンのノートルダム大聖堂をめぐり、モネの足跡をたどる旅もおすすめです。

グルメも大満足

ノルマンディー地方はまさにご馳走天国。ルーアンで開催される「ノルマンディー食の祭典」にはオート・ノルマンディーの大地の恵みが勢ぞろいします。

英仏海峡に面する沿岸部では、ホタテ貝やコタンタンの牡蠣といった海の幸が食卓を飾ります。ディエップのニシン祭では、水揚げされたばかりの新鮮なニシンの網焼きを味わいます。また、ノルマンディーといえばクリームソース。ノルマンディー風エスカロップからノルマンディー風ムール貝まで、クリームソースが味の決め手となっています。

ヴィールのアンドゥイエット(内臓の腸詰)、ノルマンディー産バター、オージュ地方のチーズ(カマンベール、ポンレヴェック、ヌフシャテル)、カン風トリップ(臓物の煮込み)など、素朴な“農家の味”も格別です。

果樹園にたわわに実るリンゴも、この地方の豊かな食文化の大切な担い手です。リンゴでつくるタルト・ノルマンディー、シードル、カルヴァドス (外部リンク) は、まさにノルマンディーを代表する味。ちなみに「ノルマンディーの穴」とは、フルコースの料理と料理の間に飲むカルヴァドスのこと。消化を促進する効果を期待して、グラスに一杯、カルヴァドスを引っかけます。デザートにはトゥルグル(ノルマンディー風ライスプリン)をぜひご賞味あれ。チョコレート工場「ショコラトリウム 」や、ノルマンディ・カラメル社を見学するのも一興です。

音楽祭、映画祭・・・年間を通じて楽しめるイベント

クタンスではジャズフェスティバル「リンゴの木の下で」を開催。エヴルーではロックフェスティバルとジャズフェスティバルの両方が楽しめます。

また、ノルマンディー地方全域にて演劇、音楽、舞踏をテーマに、「ノルマンディー秋の芸術祭」が開催されています。

ル・アーヴル現代アートビエンナーレとルーアン近郊で開催されるヴィヴァ・シテ・フェスティバルも、豊かな創造性に触れる絶好の機会。ドーヴィル・アメリカ映画祭では、あの有名な板張りの遊歩道「レ・プランシュ」を歩く銀幕のスターたちに出会えます。

ノルマンディーには派手なきらびやかさこそありませんが、家族で楽しめる場所がたくさんあります。クレール動物公園、ムーティエ森林公園、フランスでもっとも美しい動物園の一つに数えられているセルザ動物園、フェスティラン公園は大人にも子供にもおすすめ。シェルブールにあるシテ・ド・ラ・メール(海の博物館)は、海の秘密をインタラクティブな手法で紹介する施設です



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