2020年秋冬に日本で開催予定のフランスに関する美術展

フランス旅行がすぐには難しい中でも、日本に居ながらにしてフランスのアートや文化を感じてみることは可能です。日本で2020年秋以降に開催されるフランス関連の美術展を一挙ご紹介します。芸術の秋を楽しみましょう。

1894 Visions ルドン、ロートレック展

2020年10月24日~2021年1月17日
三菱一号館美術館
三菱一号館美術館は、開館10周年の最後を飾る本展覧会として、丸の内初のオフィスビルとして三菱一号館が竣工した年、「1894年」を軸に、当館のコレクションの中核をなす画家である、ルドンとトゥールーズ=ロートレックの時代に焦点を当てます。
1894年はルドンが色彩の作品を初めて発表した年であり、ロートレック、ルドン、ゴーガンが参加した『レスタンプ・オリジナル』の刊行年(1893-95)とも重なります。一方、同時代の日本では、フランスへ留学し、ルドンと同じ師のもとで学んだ山本芳翠が、代表作《浦島》を制作した時代でもありました。日本の洋画家と欧州の美術史の関係にも着目します。
本展は岐阜県美術館との共同企画であり、同館が誇る世界有数のルドン・コレクションから貴重な木炭とパステル画、ゴーガンの多色刷りの木版画を中心とした作品群、山本芳翠をはじめとする明治洋画の旗手たちの作品を出品します。国内外あわせて140点を超える作品で構成します。(前後期展示替えあり)
https://mimt.jp/visions/ (外部リンク)

琳派と印象派 東⻄都市文化が生んだ美術

2020年11月14日 - 2021年1月24日
アーティゾン美術館
琳派は、17世紀初めの俵屋宗達、18世紀初めの尾形光琳らによって、日本の都であった京都の町人文化として生まれ、19世紀初めに酒井抱一や鈴木其一らによって、将軍お膝元の江戸(現在の東京)に引き継がれた、装飾的な美感を核として発展した都市の美術でした。
一方、印象派は、19世紀後半のフランス・パリを中心に、マネやモネ、ドガやルノワール、セザンヌらによって、日常的な経験を通して受ける印象や市⺠生活の喜びを率直に表現する、新しく起こったヨーロッパの近代美術でした。
本展は、日本とヨーロッパ、東⻄の都市文化が生んだ天才画家たちの作品を通して、大都市ならではの洗練された美意識の到達点を比較しつつ見渡そうとする、新たな試みです。当館コレクションの核となる印象派の名画と、初公開となる琳派作品を軸に、国内の寺院、美術館、博物館から代表的な作品を加えた、国宝2点、重要文化財6点を含む約100点の作品で構成されます。東西の美術を、「都市文化」というキーワードで再考する画期的な「琳派と印象派展」となります。
https://www.artizon.museum/exhibition/detail/45 (外部リンク)

Connections―海を越える憧れ、日本とフランスの150年

2020年11月14日(土)~2021年4月4日(日)

19世紀後半から20世紀初頭にかけて、日本の浮世絵や工芸品は欧米の芸術に大きな刺激を与え、クロード・モネ(1840-1926)やフィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)など近代を代表する芸術家たちの重要なインスピレーション源となりました。フランスを中心として巻き起こったこの“ジャポニスム”は、欧米のデザインや、伝統を重んじるアカデミックな芸術界にまで広範な影響を及ぼします。時を同じくして、開国を機に欧化政策を進める日本では、黒田清輝(1866-1924)をはじめとする多くの学生たちがフランスへ留学し、彼らが現地で学んだ美術はその後の近代日本美術の礎となっていったのです。また、萬鉄五郎(1885-1927)や岸田劉生(1891-1929)といった大正期の個性的な画家たちの中には、ヨーロッパ留学が叶わないながらも、雑誌や画集を通してフランス美術に対する憧れと情熱をふくらませていった若者が大勢いました。文芸雑誌『白樺』などによって拍車がかかるゴッホの神格化、帰朝者の前衛的な作品による衝撃など、まだ見ぬ異国への憧憬は芸術家たちの想像力をますますかき立てていったのです。
近代化の進む激動の時代、日本とフランスという2つの国は、それぞれに新しい美の基準や感性を模索する上で、互いに必要不可欠な存在であったといえます。本展覧会は、大量のモノや情報、そして人の往来が可能となった時代に、長い歴史の中で培われてきた双方の芸術が織りなした「美の往還」を検証する試みです。また、異文化に対する憧れや好奇心によって生み出された幻想や、ある種のズレにも着目し、国際的に活躍する現代アーティストの作品を通して、異文化理解の本質や魅力にも迫ります。
https://www.polamuseum.or.jp/exhibition/20201114s01/ (外部リンク)

華麗なるベル・エポック フランス・モダン・ポスター展

2020年12月3日(木)~1月31日(日) 
近代ポスターの発祥の地、フランス・パリ。シェレ、ロートレック、ミュシャなどの芸術家が腕を競い、19世紀末から第一次世界大戦勃発までの経済発展を享受するベル・エポックの華やかなポスターが街を彩りました。それまで単なる情報伝達の道具であったポスターが芸術の一分野として認められていくのも、この時代でした。
 本展では、近代ポスターの創成期から、アール・ヌーボ-、アール・デコの作品を中心に約100点を展示し、時代の息遣いを伝えるポスター芸術の歩みをたどります。
https://www.paramitamuseum.com/plan/next_exhibition.html (外部リンク)

ジョルジュ・ビゴー展

2021年2月7日~2021年4月4日
宇都宮美術館
ジャポニスムがヨーロッパを席巻した時代、海を渡って日本へとやってきたジョルジュ・ビゴー(1860~1927)。宇都宮美術館が所蔵する油彩、水彩、素描、版画、その他の資料など、およそ300点の作品を通じて、近代化のさなかの日本の姿を目撃したこの稀有なフランス人芸術家を紹介すします。
http://u-moa.jp/exhibition/schedule.html (外部リンク)

モネとマティス もうひとつの楽園 【終了】

2020年8月9日~11月3日
ポーラ美術館
19世紀から20世紀にかけて、急速な近代化や度重なる戦争といった混乱した社会状況のなか、「ここではないどこか」への憧れが、文学や美術のなかに表れます。なかでもクロード・モネ(1840-1926)とアンリ・マティス(1869-1954)は、庭や室内の空間を自らの思うままに構成し、現実世界のなかに「楽園」を創り出した点において、深く通じ合う芸術家であると言えます。モネは19世紀末、近代化するパリを離れ、ジヴェルニーに終の住処を構えます。邸宅の庭で植物を育て、池を造成し、理想の庭を造りあげたモネは、そこに日々暮らしながら、睡蓮を主題とした連作を制作しました。一方、南仏に居を構えたマティスもまた、テキスタイルや調度品を自在に組み合わせ、室内を演劇の舞台さながらに飾り立てて描きました。こうしたモティーフは、南仏の光とともにマティスのアトリエと作品を彩ったのです。
モネの庭とマティスの室内。彼らの「楽園」は、欠くことのできない主題であると同時に、制作の場であり、生きる環境でもありました。本展覧会では、ふたりの芸術家がいかにして「楽園」を創りあげ、作品へと昇華させていったのかを検証します。 国内借用作品約30点を含むモネとマティスの作品約70点に、当館コレクションのなかから関連作家の作品約20点を加え、約90点をご紹介いたします。
https://www.polamuseum.or.jp/sp/monet_matisse/o_20200403_01/ (外部リンク)

石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 印象派の女性画家たち 【終了】

2020年6月23日 - 10月25日
アーティゾン美術館
アーティゾン美術館では、「石橋財団コレクション選」の一角に「特集コーナー展示」を設け、毎回異なるテーマにより収蔵品に新たな光をあてる企画展示を行なっています。2020年6月23日から10月25日の期間に「印象派の女性画家たち」開催します。前身であるブリヂストン美術館の1952年(昭和27年)の開館より印象派の絵画をコレクションの中心のひとつに据えてきたアーティゾン美術館は、この分野をより充実させるべく、印象派を代表する4人の女性画家たち、ベルト・モリゾ、メアリー・カサット、マリー・ブラックモン、エヴァ・ゴンザレスによる5点の作品をコレクションに迎えました。今回の展示では、これら新収蔵作品を一挙公開すると共に館蔵の関連作品8点、さらには同様に新しく収集された西洋の芸術家の肖像のヴィンテージ写真のコレクションからの写真作品6点もあわせて展示されます。
https://www.artizon.museum/exhibition/detail/44 (外部リンク)

生誕160年記念 アルフォンス・ミュシャ 創作の軌跡 【終了】

2020/07/11 〜 2020/11/08
堺市立文化館
アルフォンス・ミュシャの生誕160年を記念し、堺市が所蔵する主要なミュシャコレクションが一堂に公開されます。堺市はミュシャの画業初期から晩年まで、生涯に渡るコレクションを所蔵しています。これらはミュシャを一躍パリで有名にしたポスターやパネルはもとより、大型油彩作品、彫刻、宝飾品、素描、書籍の挿絵など、世界でも有数の体系的コレクションです。
 現在のチェコ共和国で1860年に生まれたミュシャは修行時代を経て、パリで書籍の挿絵や商業ポスターのデザインを行い、名声を得ました。そして1900年のパリ万国博覧会では、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ館の壁画など多くの仕事を手がけました。デザイナーとして多忙を極めていたミュシャですが、やがて祖国チェコに芸術で貢献することを願い、1910年から約16年かけて大連作《スラヴ叙事詩》を完成させるなど、祖国のために多くの仕事を行いました。
 本展は、パリ時代のアール・ヌーヴォーを代表するミュシャの優雅な女性像のポスターやパネル、また転機となった1900年パリ万国博覧会に関連する作品、そして後年祖国チェコの独立と平和を願って創られた作品など、ミュシャの初期から晩年までの創作の軌跡を、堺市が世界に誇るミュシャコレクションによって、余すところなくご紹介します。
https://mucha.sakai-bunshin.com/ (外部リンク)

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