シュノンソー城の花のアトリエの責任者J.F ブーシェ氏へのインタビュー

シュノンソー城は建物と庭園の美しさで有名ですが、毎日花のアトリエが手がける素晴らしいブーケでも知られています。5年前から花のアトリエの責任者を務める、国家最優秀職人章を授与されたフローリストでヨーロッパ・ジュニアチャンピオンのジャン=フランソワ・ブーシェ氏にお話を伺いました。

シュノンソー城の花のアトリエは、世界で他に類を見ないコンセプトですか?
おっしゃるとおり、シュノンソー城はフローリストの従業員がいる唯一の古城です。キュレーターのロール・ムニエが今から25年前に、「貴婦人たちの城」に女性らしい趣をもたらし、訪れる人々を賓客のように迎えるために導入しました。アトリエは16世紀の農家の中にあります。3人で城とレストランとイベントのためのフラワーアレンジメントを準備しています。

花は城の庭園で採れたものですか?
一部はそうです。幸運にも、菜園に花用のスペースがあり、レストランと共有しています。シェフが花を用い、私たちが野菜を用いることだってあります!でも花を購入せざるをえません。なぜならば使用量が非常に多いからです。19室を花で飾る必要があり、毎週すべてのブーケを新しくしているのですから。

日常の様子をお聞かせいただけますか?
毎朝、花が新鮮な状態であるかを確認して回り、必要があれば交換します。フラワーアレンジメントは毎週変わります。金曜日には事前注文を行います。月曜日には入荷がないので、イネ科の植物や木の枝などを拾い集めに自然の中に出かけます。私にとっては大切な時間です。なぜならば野生のものは私たちの作品に魂を吹き込むからです。そしてシュノンソーは田舎にある城だとよく言われます。

それぞれの部屋には違った生け方をするのですか?
はい、なぜならば花が部屋と調和し、家具やタペストリーとなじまなければならないからです。どの部屋も全部好きですが、やはりいくつか特にお気に入りの部屋があります…。中でも、すべての色合いが調和している「緑の書斎」が好きです。特に朝日を浴びている時は、圧倒的な美しさです。

植物で歴史を語ることは可能ですか?
この城の王妃だったカトリーヌ・ド・メディシスを意識する場合が多いです。シーズンには、好んでアーティチョークを用います。その理由は、トスカーナからフランスにアーティチョークをもたらしたのは彼女だったことが知られているからです。テーブルアートも彼女の功績です。彼女は葉で装飾して、盛大な祝宴を催していました。

クリスマスは最も重要な時ですか?
はい!1年の残りの時期とは異なり、フラワーアレンジメントを毎週変えることはせず、1か月間同じものを保ちます。ただ花を取り替えるだけです。シュノンソー城は「お城の地方のクリスマス」に参加しています。2019年のテーマは、「動物と架空の動物」でした。そもそもタペストリーには、一角獣が描かれています。

花による空間演出という仕事のどこがお好きですか?
祖母や母と一緒に、私は店舗や温室の中で花に囲まれて育ちました。私はこの雰囲気が大好きなのです。世界中からの来場者に、フランスのフローラルアートを紹介するのが好きです。アジア諸国(日本、韓国、中国…)からの人々はそれに非常に敏感です。ロシア人も同様で、たくさんの花を贈ってくれます。

アトリエに行ってお会いすることは可能ですか?
もちろん!私たちはワークショップも開催しており、ちょっとしたフラワーアレンジメントの実践を教えています。私たちの仕事について知るには、写真集『Les bouquets de Chenonceau(シュノンソーのブーケ)』(2019年)をご覧いただくことをお勧めします。この本は3年間の仕事を振り返ったもので、ショップで非常によく売れています。