リヨン歴史地区

紀元前1世紀に「三つのガリア」の首府としてローマ人によって築かれたリヨン。以来、その長い歴史を通じて、ヨーロッパの政治、経済、文化の発展に多大な役割を果たしてきました。各時代の豊富な歴史的建造物と都市空間が、この町が歩んできた長い歴史を如実に物語っています。

現在も当時の趣を残す石畳のリヨン旧市街(Vieux Lyon)から、クロワルースにかけての地区が、ユネスコの世界文化遺産に正式登録されました。
指定対象となったのは、フルヴィエール地区、リヨン旧市街、クロワ・ルースの丘とプレスキル地区。文化伝統を結集させた独自の建築群と都市美が評価されました。

旧市街

12~15世紀にかけて造られたサン・ジャン教会の付近が石畳の道が入り組んだ旧市街。車が通れないような細い道が多く、建物の回廊や中庭を伝って他の道へ抜けるトラブール(抜け道)も張り巡らされていますこれはリヨン独特のもの。もともとは織物業者が品物を雨に濡らさないように使っていたものだったとか。抜け道を探して散策してみるのも面白い。

フルヴィエールの丘

紀元前43年、シーザーの元副官がフルヴィエールの丘に町を築きました。これが後にリヨンとなるのです。丘の中腹には紀元前15年に築かれたローマ劇場が残っています。この円形劇場は観客席1万人、フランス最大の野外ローマ劇場。現在もここで演劇など上演されている現役の劇場です。丘の上に立つフルヴィエール寺院はリヨン市民の寄付によって建てられたもの。モザイクや大理石などを多様化した美しい教会で、リヨンの街のシンボル。中央には青い天使の像が、その西には金色に輝く聖母マリアの像がリヨンの街を見守るように立っています。丘の上はリヨンの町を一望できる景勝スポット。ケーブルカーで登ることができます。

クロワ・ルース地区

絹織産業で栄えたリヨンの面影を残すのがクロワ・ルース地区。カニュ博物館は現在でもジャカード織など実際に製作している工房で、職人が織り機を使って実際に織物を織りながら絹織物の歴史などを説明してくれます。

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