5分で分かる、ブション・リヨネ

タブリエ・ド・サプール、セルヴェル・ド・カニュ、格子柄のテーブルクロス、マション...。リヨンでは「ブション」の伝統が大切に守られています!「ブション」とはリヨン特有の大衆的なビストロのこと。フレンドリーな雰囲気の下、伝統の郷土料理が楽しめます。ブションの秘密を明らかにし、そこで料理を楽しむためのヒントをいくつか紹介しましょう。

功労者は女性たち

ブションの伝統をつくり上げたのは女性たち、もっと正確にいえば母親(メール)たちです。19世紀、彼女たちはその細腕で自分の店を切り盛りし、シンプルながらもボリュームたっぷりの料理を振る舞いました。その信条は、「なんでも余さず使うこと」。というわけで、彼女たちはヒレ肉よりも格下とされていた脚、胸、脛など値段の安い肉を使って料理をつくりました。彼女たちの中でも有名なのが、「鶏のドゥミ・ドゥイユ」で知られるメール・フィリユーや、メール・ブラズィエです。メール・ブラズィエはメール・フィリユーの店で修行を積み、自分のレストランをオープン。ミシュランの3ツ星を2度獲得した最初の女性シェフとなりました。

独特の雰囲気

カウンター、赤と白の格子柄のテーブルクロス、くっつき合った木製のテーブルと椅子、吊り下げられた銅鍋、古いポスター、思わず唾がわいてくる料理の音や匂い...。ブションでは店内のインテリアも料理も気さくでシンプル。しかもその料理が本場もので、店主が個性豊かとなれば、最強のブション体験が楽しめます!

ブションの名物料理は?

ブションのメニュー(あるいは黒板に書かれた料理名)を理解するのは、リヨンの方言に馴染みがない人には少々ハードルが高いかもしれません。ブションではまず、食欲を刺激するためにグラトン(豚の脂をこんがり焼いたもの)をつまみます。そしてそのあと、セルヴラ・リヨネ(ピスタチオ入りのソーセージ)、次にクネルへと移ります。クネルは「パナード」と呼ばれるつなぎに、家禽または子牛の肉や魚のすり身を加えたもの。クネルの代わりにグラ・ドーブル(牛の胃袋)を使ったリヨン名物、タブリエ・ド・サプールもよく食べられます。セルヴェル・ド・カニュも定番です。「セルヴェル(脳みそ)」とはいうものの、これはフロマージュ・ブラン(フレッシュチーズ)を泡立ててハーブや玉ねぎなどを加えたものです。デザートには見た目も味も申し分ないタルト・オ・プラリーヌ・ローズ(ピンクのプラリーヌのタルト)を頂きます。

そもそも、なぜ「ブション」?

「ブション」という呼び名は、レストランの主人が自分の店を目立たせるためにドア先に吊り下げた小枝の束に由来するといわれています。しかしブション・リヨネ協会によれば、それぞれの店でそれぞれの由来を直接訊ねてみるのがいちばんとのことです...。

気さくでクオリティの高い本場の味!

ブションにとってクオリティは大切です。ブション・リヨネ協会にはブションの伝統と「ブションらしさ」を守ろうとするレストランが加盟しています。そんなレストランを見つける目印となるのが、店先に掲げてある黄色いプレート。そこに描かれているニャフロンは、リヨンの指人形芝居の主人公ギニョルの有名な手下で、飲み食いが大好きな人物として知られています。ブションには名シェフも揃っており、たとえば国家最優秀職人章(MOF)の称号を誇るジョゼフ・ヴィオラは「ダニエル&ドニーズDaniel & Denise」というブションを4店展開しています。ほかにも、ブションの礎を築いたメール(母親)の一人、ウジェニー・ブラズィエの店を引き継いでミシュラン2ツ星を獲得したマチュー・ヴィアネなどがいます。

リヨンの絹織物工たちの朝食、マション

マションの伝統は19世紀にリヨンのクロワ=ルッス地区に住み着いた「カニュ」と呼ばれる絹織物工たちに負うものです。彼らは一晩きつい仕事をこなしたあと、ハムやソーセージとボジョレーやマコネの赤ワインを入れた「ポ・リヨネ」を囲んで食事を取りました。「ポ・リヨネ」とはリヨン特有の厚底のワインボトル。早朝からたっぷり食べたい人のために、一部のブションではこのマションの伝統を守り続けています。「ラ・ムニエールLa Meunière」、「カフェ・デュ・パントルCafé du Peintre」、「ヴィヴァレVivarais」、「ポエロン・ドールPoêlon d’Or」の4店は、ブション・リヨネ協会加盟店の中でマションを提供しているレストランです。

Lyon 

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