ランスのルーブル美術館分館

2012年より、ルーヴルと言えば、パリの有名なルーヴル美術館だけでなく、分割されてランス(LENS)に誕生したルーヴル美術館別館ルーヴル=ランスのことも指すようになりました。近代的で洗練された造りの建物はビルバオ・グッゲンハイム美術館とも比較して称されています。

ルーヴル=ランス美術館には毎年100万人以上が訪れ、ルーヴル美術館のコレクションを新たな視線で見つめています。

アートと交流のために開かれたスペース

館内前の庭園を歩く時点で、歴史に浸る旅は既に始まっています。ルーヴル=ランスは未開のまま放置されていた鉱山地帯を有効利用してできたもので、庭園は鉱山業で栄えた歴史に敬意を示す形で再開発されました。

かつて石炭を輸送するために炭田から駅までを結んでいた旧鉄道の線路は改装されて、外門から美術館エントランスまでを結ぶ美しいルートとなっています。歴史ある入口や炭鉱の井戸も大事に保存されています。

1階エントランスを通るとガラスに囲まれた3600平米のホールがあり、ここから館内の各展示スペースへ行くことができます。

  • グランド・ギャラリー:パリのルーヴル美術館から長期で貸し出されたコレクション品を準常設展示しています。
  • 企画展用ギャラリー(総面積1800平米、奥行80メートル):1年に2回大規模な特別展を開催します。テーマ:ある時代や、ある美術様式、ある文明(古代エジプトで動物が神として崇められていた例など)、ある場所など。その他に美術史全体を横断するテーマもあります。
  • ガラスのパビリオン(総面積1000平米):ガラスの壁に囲まれたホールで、周囲の公園を見渡すことができます。カフェやミュージアムショップなどの休憩所として、または美術鑑賞の余韻に浸り考察を深める場所となっています。 年間を通じていくつかのテーマ別企画展も開催されます。
  • コレクション所蔵庫レ・クリス:ガラスに囲まれたスペースで、館内で展示されていないその他のコレクションを保管しています。一般にも公開されており見学可能です。

美術館最大の見どころ、グランド・ギャラリー

陽極処理アルミニウムの壁でできた自然光の溢れるグランド・ギャラリーは、奥行1200m、総面積3000平米という広々としたスペースで、美術館の中でも中心的役割を果たします。仕切りのないスペースは、美術品を鑑賞しながらのそぞろ歩きにぴったりです。

5000年の歴史

グランド・ギャラリーでは2017年まで企画展「時のギャラリー」を開催中で、パリのルーヴル美術館より貸し出された250の作品を展示しています。作品の3分の1が毎年入れ替えられます。
時空の旅人のように時を遡り、各文明で文字が誕生した紀元前3500年から19世紀の傑作まで、あらゆる文明、文化から生まれた美術作品群を一度に鑑賞します。仕切りが一切取り除かれたスペースでは、美術作品同士が対話し、反応し合っているかのようです。

例えば、古代エジプト彫刻がギリシャ彫刻にいかに影響を与えたか、エジプト文明においてピラミッドが築かれていた頃キクラデス文明がどのように存在していたか、など、同時期のさまざまな技術や文明を比較することができます。

見学順路の最後には注目すべき傑作の数々が待っています。特に17世紀のレンブラント作品、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」をはじめとする19世紀のロマン派作品、「蛇を踏み潰すライオン」の傑作で知られる19世紀の彫刻家アントワーヌ=ルイ・バリーの作品は是非とも鑑賞したい作品です。

Musée du Louvre**-Lens**
99, rue Paul Bert
62300 Lens

Lens 

99, rue Paul Bert, 62300 Lens