パリのポンピドゥー・センターで『先史時代 近代の謎』展が開催

ポンピドゥー・センターでは2019年5月8日から9月16日まで、近・現代芸術と先史時代との関係性を明らかにする独創的な展覧会を開催しています。

芸術家たちは、次いで社会全体は、いかにして原始の時代に心を奪われるようになったのでしょうか?「歴史」に先立つ「先史」時代に対する幻想は、いかにしてつくり上げられたのでしょうか?

ピカソ、ミロ、セザンヌを夢中にした先史時代をめぐる謎

先史時代をめぐる謎に取り憑かれた20世紀および21世紀初頭の大物芸術家は枚挙に暇がありません。たとえば、ピカソ、ミロ、セザンヌ、クレー、ジャコメッティ、エルンスト、ボイス、クライン、デュビュッフェ、ルイーズ・ブルジョワ、マルグリット・デュラス、ロバート・スミッソンが先史時代に夢中になりました。さらに現代の芸術家としては、ジュゼッペ・ペノーネ、ミケル・バルセロ、ヴィム・ヴェンダース、マルグリット・ユモー、ピエール・ユイグ、ドーヴ・アルーシュなどの名前が挙げられます。

当展は私たちにとって先史学が「過去を撹乱する装置」として作用していることを明らかにしています。「préhistoire(先史時代、先史学)」という言葉自体が使われはじめたのは1860年代になってからのことです。そして19世紀を通じて徐々に、事実と考察と幻想とが分かちがたく結びつく形で「先史時代」が構築されていきました。

20世紀に入ると、「先史時代」というコンセプトは私たちのイマジネーションの世界に入り込んできます。人類のいない地球と人類の緩慢な進化の過程が明らかになることで、私たちは人類の絶滅の可能性についても考えるようになったのです。

人々を魅了した先史芸術

狩猟採集社会(旧石器時代)から農耕社会(新石器時代)への移行は、産業化の時代にまで通じる人間による環境の支配をめぐる考察を掻き立てます。わけても先史時代の芸術は人々を魅了し、さまざまな分野の芸術的な試みに対する具体的な模範となりました。

展覧会では先史時代をテーマにした芸術作品を、19世紀および20世紀の転換期を成す序章(ロダン、セザンヌ)、1930年代(ピカソ、ミロ、ジャコメッティ、エルンストなど)から1960年代末(ルイーズ・ブルジョワ、ボイス、スミッソンなど)までの中核期、そして現代の終章に分けて時系列で紹介しています。

旧石器・新石器時代を代表する先史芸術の作品

時系列に沿った今回の展示では「時代の厚み」、人類のいない地球、人間と動物、行為と道具など多様なテーマが扱われています。そしてこれらのテーマとともに、化石、レスピューグのビーナスやマドレーヌのマンモス壁画といった先史時代の主要な彫刻作品、刻石、削られた、または磨かれた火打ち石、メンヒル、新石器時代の偶像など、旧石器・新石器時代を象徴する先史遺物も展示されています。また、カルトムービー(『人類創世』、『キートンの恋愛三代記』、『ロスト・ワールド』、『ジュラシック・パーク』...)など、先史時代を一般の人々に知らしめることに貢献した作品についても紹介しています。

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