ボルドーの新名所、シテ・デュ・ヴァン(ワイン博物館)に行ってきました

シテ・デュ・ヴァン

今年6月についにシテ・デュ・ヴァン(ワイン博物館)ワインの聖地ボルドーにオープンし、早速新名所として世界から注目を集めております。

そんなワイン博物館の視察報告をさせていただきますので、今後の商品造成のお役にたてれば幸いです。

こちらはボルドーワインのみならず、世界中のワインの魅力を伝える施設となっています。古代メソポタミアより脈々と受け継がれてきた人間とワインの歴史を紐解き、世界各国のワインの魅力、ワインにまつわる歴史の偉人達などについて最先端技術を駆使した展示によってご紹介しています。かつてはMusee de civilisation du vin(ワイン文明博物館)と命名されていましたが、名前のとっつきにくさと、文明に限らずワインの全てを体系的に紹介する施設ということでシテ・デュ・ヴァン(ワイン博物館)に改名されました。

まず驚くのはその外観です。ワインのデキャンタの形を模して作られ、素材は木材、ガラス、ステンレス等が用いられ、木=熟成樽、ガラス=ワイングラス、ステンレス=発酵タンクと、全てワインに縁のある素材で作られています。流れるような曲線模様はデキャンタの中で揺れるワインを表し、黄金ともとれる外観色は隣接するガロンヌ川の色と溶け込むようにとの工夫がなされています。
内部を見てみると、1階は無料で見学できるスペースで、カフェや2種類のブティックがあります。1つはワイングラスやワイン関連商品が販売され、もう一つはワイン専門店です。ここでは世界でワインを生産している93ヵ国中、実に80ヵ国のワインを販売しています。また、予約制のワイン教室の他、ボルドー観光局のインフォメーションセンターも設置されており、ワイナリーへのエクスカーションツアーなどもここで予約が可能です。

2Fには無料で入場できるワイン専門の図書館もあります。また、別途料金がかかりますが、来年からは特別展としてフランス各地の美術館からワイン関連の美術品を集約してこちらで展示する予定です。

入場料

博物館エリアへの入場料は20ユーロで、オーディオガイド(日本語有り)と、1杯の試飲が含まれています。日本人の場合は入り口で日本語のガイドが内蔵された携帯電話のような機器とイヤホンを受け取ります(耳とイヤホンの間に若干の隙間ができるのはガイダンスを聞きながらも隣の人と話ができるためです)。各展示品には必ずイヤホンマークがあり、そこに機器をかざすと選択言語のガイドが流れる仕組みです。

好きな所を好きなだけ見て欲しいという意向から、特に見学順路などが設けられておりません。※館内では全員がイヤホンを付けて見学をしていますので、同行のガイドさんによる説明は禁止されております。

五感体験

展示品は多岐にわたり、いずれも五感を使って楽しむアトラクションのような展示です。

デジタルコーナーでは、クイズ形式でワインのトリビアを身に付けることができる展示や、ワインと食のマリア―ジュ等を映像で紹介するデジタルテーブル等が設置されています。

香りのコーナーでは、果実やお花、皮製品や古本まで、ワインの中に感じられるアロマを体験できます。また、木、ステンレス、ガラスの奇妙な形のオブジェからはそれぞれの製造過程での熟成香が漂います。

シアターでは世界のブドウ畑や古代のワインの輸送方法について紹介しているものもあります。

また、古代、中世、現代のボルドーの町をストリートビューで見ることができるユニークな展示品もございます。ワイン博物館がある場所はかつてワインの仲買人が多く住んでいた地区で、時代の移り変わりの激しさを感じます。

7階にはパノラマレストランの「le 7」が設置され、周囲を見渡しながら食事をすることができます。最上階に当たる8階は展望台(Le belvédère)と呼ばれ、テイスティングカウンターが設けられており、入場券に含まれている1杯のテイスティングはこちらで行います。

テイスティングの他にユニークな展示の数々、そして日本語ガイド代が含まれて20ユーロはお得感があります。所要時間は最低でも1時間半は欲しいところです。
ボルドーでのワイン巡りは、できればこのワイン博物館で幕を開け、楽しんでワインに触れていただいた後に周辺に広がるブドウ畑と、偉大なボルドーワインを生み出すシャトーを実際に訪れるのが良いでしょう。ちなみにポイヤック村など、車で1時間以上かかる場所を訪れる場合はクルーズの方が所要時間は短くて済みますので、こちらも併せてご検討下さい。

アクセス

市内中心地からは離れているので、アクセスは2種類、トラムもしくはBatCub(水上バス)のどちらかです。市内中心部を走るトラムもお勧めですが、是非体験してもらいたいのはBatCub(水上バス)です。これはトラムのチケットで乗船できる交通機関で町中を流れるガロンヌ川の両脇5カ所に桟橋が設置され、そのうちの一つはワイン博物館の真横に設置されています。市内中心部を過ぎて、近代的な稼動式の橋シャバン・デルマスの下をくぐると、すぐに船はワイン博物館の桟橋へ到着します。

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