18世紀にフランスのバスク地方で広まったエスパドリーユは、今や世界中のトレンドとなりました。夏の定番アイテムの起源や特徴、そして愛好家として知られる有名人についてご紹介します。
エスパドリーユとは?バスク地方のカジュアルシックな靴
エスパドリーユとは
エスパドリーユとは、靴底に柔軟なジュート縄を使用した靴で、上部は主にキャンバス地や木綿布で作られています。古くからピレネーや地中海地域で履かれていましたが、20世紀後半以降ファッションとして注目され始め、今では世界中で愛される履物となりました。
通気性が良く履き心地も軽やかなので、日本でも夏のカジュアルシックな靴として定番の存在となっています。
エスパドリーユの起源と歴史
エスパドリーユの語源となった黄麻(esparto)を編み込んだ履物は、イベリア半島で約4000年前に使用されていたとされています。
18世紀ごろから、ピレネー山麓にあるフランスのバスク地方で手作りのエスパドリーユの生産が盛んになり、安価で丈夫な靴として、農耕労働者や鉱山労働者たちによって男女ともに愛用されました。
当初は貧しい人たちの履物としてのイメージがありましたが、20世紀にはいると、アメリカやフランスで、そのファッション性が注目されるようになり、ハリウッド女優がレース付きのエスパドリーユを履いたり、ハイヒールのエスパドリーユが誕生したりしました。
バスク地方のエスパドリーユ
今や世界中でお洒落なエスパドリーユが簡単に手に入る時代になりました。しかし、バスク地方では、昔ながらの手作りのエスパドリーユが購入できる専門店がたくさん存在します。
手作業での制作なので縫い目は不揃いですが、つま先をしっかり補強する縫製がされており、丈夫に作られています。靴底には「フランス製」のラベルがあることが確認できるでしょう。
バスク地方を訪れたら、是非お気に入りのエスパドリーユを探してみてください。
バスク地方のエスパドリーユ専門店を巡る (外部リンク) (英語ページ)
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エスパドリーユを愛した有名人
夏の足元に上品で軽やかな印象を作り出してくれるエスパドリーユは、多くの著名人たちにも愛用されてきました。
エスパドリーユ愛好家として知られる代表的な人物をご紹介します。
- シモーヌ・ド・ボーヴォワール(フランスの作家、哲学者)
- ココ・シャネル(フランスのファッションデザイナー)
- サルバドール・ダリ(スペインの画家)
- パブロ・ピカソ(スペインの画家)
- ローレン・バコール(イギリスの女優)
- セルジュ・ゲンスブール(フランスの作曲家、作詞家、歌手、映画監督、俳優)
- グレース・ケリー(アメリカの女優、モナコ公国公妃)
- ジェーン・バーキン(イギリスの女優、ミュージシャン)
参考:進化し続けるエスパドリーユ、7世紀にわたる歴史。(VOGUE JAPAN) (外部リンク)