人類最古の壁画を再現した ポンダルクの洞窟がついにオープン

Published on 2015年 5月 15日
  • © Ministère de la Culture et de la Communication

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  • © Ilustration agence Fabre & Speller

  • © Jean-Clottes, Centre National de Préhistoire

人類最古の壁画を再現した ポンダルクの洞窟がついにオープン Vallon-Pont-d’Arc fr

3万6千年前の壁画がよみがえる

洞窟の壁に動物の姿が描かれたのは、人類の祖先の誕生から間もなくしてのこと。生き生きと描写されたマンモス、バイソン、クマ、ライオンの横には、人の手形もくっきり残っています。ここ、ポンダルクの洞窟は、世界遺産のショーヴェ洞窟を完全再現したレプリカ施設で、2015年春にオープンしたばかり。 “ショーヴェ洞窟”とのちに名付けられる、世界最古の装飾洞窟が発見されたのは、1994年。人類の祖先の足跡をたどるための希少な証として、現在は保護対象となっています。そのため、最新技術を駆使し、この見事な洞窟をヴァロン・ポンダルクの地に再現して一般公開しようと、文化的かつ科学的な一大プロジェクトが立ち上がりました。

人類の祖先が残した傑作を再現し、実物と遜色ないレプリカを作り上げるのは容易なことではなく、本プロジェクトに参加できたのは、高度な技術を持ったトップクラスの復元アーティストだけでした。科学者の監修のもと、腕利きの彫刻家や画家たちが地質的・芸術的特徴をとらえながら、洞窟の装飾を一つひとつ再現していったのです。3D映像技術も応用した結果、約2787平方メートルの空間に、7432平方メートルを越える装飾壁画と天井画が見事に作り上げられました。

4月25日にオープンしたばかり

2015年4月25日にオープニングを迎えたポンダルクの洞窟を、レプリカと侮るなかれ。一歩なかに足を踏み入れると、本物のショーヴ洞窟とまったく同じ雰囲気を味わえるのです。ひんやりした空気、湿度、匂い、暗さまでが、香水メーカーの尽力もあって、完璧なまでに再現されており、洞窟を初めて発見した探検家と同じ、嗅覚体験ができるようになっています。

36頭のライオンの群れがマンモスを追う

洞窟を訪れる際は、心の準備を。リアルな動物の描写にゾッとしてしまうかもしれません。歩みを進めるたびに、425頭もの凶暴な動物がじりじりと迫ってきます。もっとも注目してほしいのは、36頭のライオンの雄々しき姿。群れで狩りをし、100頭近いマンモス、バイソン、サイを狙っています。旧石器時代の傑作を複製することによって、3万年前に描かれた人類初のアート作品が現代に復活。世界最古の壁画から、当時特有の美学や、陰影法、遠近法、動的効果などの技術を突き止め、それを永遠に残すことに成功したのです。

二つの展示スペース

石筍や鍾乳石の中を進み、約55分間の大洞窟のツアーを終えたあとに待ち受けているのは、二つの展示スペースの探検です。
■最初のスペースは、オーリニャック期の人々が日々使っていたアートの技術にスポットを当てており、双方向性ディスプレイで、文明の起源を発見したり、世界最大の装飾洞窟をリアルに堪能したりもできます。
■二つ目のスペースは、洞窟再現の舞台裏をのぞくことができる展示になっており、“世界最大の装飾洞窟のレプリカ”を作ることが、どれほど建築的偉業であったかを、うかがい知れます。実際の洞窟から2キロメートル離れたヴァロン・ポンダルクの丘陵に建設されたこの複製洞窟が、周囲の景観に完全になじんでいるのにも注目です。

そこに、動物の足あとが……。はるか昔、この洞窟で冬眠していたクマが残したのかもしれません。

アクセス
■電車の場合
・最寄り駅は、ヴァランスTGV駅/モンテリマール駅
・いずれかの駅からローヌ・アルプ76のバスに乗り、ヴァロン・ポンダルクで下車
■飛行機の場合
・マルセイユ・プロヴァンス空港/リヨン・サン=テグジュペリ国際空港を利用

住所
La Caverne du Pont d'Arc
Plateau du Razal
07150 Vallon-Pont-d’Arc

英語の公式サイトはこちら

見どころ