フランスの世界遺産

Published on 2013年 9月 27日
フランスの世界遺産 75000 Paris fr

2015年7月現在、フランスには全42ヶ所のユネスコ世界遺産が登録されています。

■文化遺産 37
■自然遺産 4
■■文化、自然複合遺産 1

ヴェズレーの教会および丘 1979 ブルゴーニュ地方
聖女マドレーヌの聖遺物に詣でる巡礼者でにぎわうサント・マドレーヌ教会は12世紀建立ロマネスク芸術の至宝。教会内の静粛な雰囲気に満ちています。旧約聖書の物語を掘り込んだ柱頭や聖霊降臨を描いたタンパンに注目。

シャルトルの大聖堂 1979 サントル・ロワール地方
ヨーロッパを代表する12世紀建立の大聖堂。なんといっても見逃せないのは、「シャルトルの青」とたたえられるステンドグラス。独特の深見をおびた青が印象的なステンドグラスは陽光によって刻一刻と変化し、神秘的な世界を映しだしています。 

モン=サン・ミッシェルとその湾 1979 ノルマンディー地方
1300年以上にわたり、聖地として多くの巡礼者を引き付けてきた西洋の驚異。その比類ない景勝美によりフランスのみならず世界でも最も人気のある観光地となっています。 

ヴェルサイユ宮殿と庭園 1979 イル・ド・フランス地方
ルイ14世から16世にかけてフランス王家の居城となったヴェルサイユ宮殿。多くの建築家、彫刻家、装飾家、造園家の手により贅の限りを尽くして建てられた宮殿はヨーロッパ各国の王宮のモデルとなりました。 

ヴェゼール渓谷の先史時代の史跡および壁画洞窟群 1979 アキテーヌ地方
ヴェゼール渓谷には旧石器時代の装飾洞窟が25残されています。1940年に発見されたラスコーをはじめ、洞窟内に描かれたものをはじめとする壁画は、民俗学、人類学、美学の面で非常に大きな価値をもつものです。ラスコーの壁画は狩りをテーマにしたもので、描かれている動物は約100体。巧みな構図、正確な観察力、豊かな色彩、生き生きとした表現力には驚くしかありません。

フォントネー修道院 1981 ブルゴーニュ地方
シトー派修道会の典型的な宗教建築と言えるのがフォントネー修道院。1118年に建立された古い修道院ですが、非常によい保存状態を保っています。装飾を排除した空間には簡素で慎み深い雰囲気が漂います。

アルルのローマ遺跡およびロマネスク様式の遺跡 1981 プロヴァンス地方
アルルにローマ時代の遺跡を多数残り、その最古のもの(円形闘技場、古代劇場、地下回廊)は紀元前1世紀にまで遡ります。アルルはその後4世紀に第2の黄金時代を迎えました。その栄華を伝えるのが、コンスタンティヌスの公衆浴場と、アリスカンの大墓地。この町はさらに11世紀から12世紀に、ふたたび地中海地方でもっとも美しい町の一つになりました。サン・トロフィーム教会とその回廊は、プロヴァンス地方のロマネスク芸術を代表する歴史遺産に数えられています。

アミアンの大聖堂 1981 ピカルディー地方
アミアンの大聖堂は、13世紀に建立された典型的かつ最大規模のゴシック様式の教会です。一体感のある空間構成、圧倒的な高さを誇る三層構造の聖堂内部の空間美、正面ファサードやトランセプトの南袖廊に施された美しい彫刻作品の構成は特に印象的です。

フォンテーヌブロー城および庭園 1981 イル・ド・フランス地方
広大な森の中にあるフォンテーヌブロー宮殿。12世紀より歴代のフランス王によって狩猟を楽しむ際の居城として使われてきました。16世紀に入ると、フォンテーヌブローを「第二のローマ」にしようとしたフランソワ1世の手で増改築され、美しく生まれ変わります。広大な庭園に囲まれた城にはさまざまなイタリアの様式が取り入れられ、ルネサンス芸術とフランスの伝統が融合した傑作となりました。

オランジュの古代ローマ劇場、その周辺および凱旋門 1981 プロヴァンス地方
オランジュの古代劇場は全長103mのファサードをもち、古代ローマの劇場としてはもっともよい保存状態を誇っています。紀元後10~25年に建設された凱旋門は、ローマ帝国初代皇帝アウグストゥスの時代にプロヴァンス地方でつくられた凱旋門の中でもっとも美しく、パクス・ロマーナ(ローマの平和)が打ち立てられていく様子がレリーフで表現されています。

サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院 1983 ポワトゥー・シャラント地方
「ロマネスクのシスティーナ礼拝堂」の異名をもつサン・サヴァン修道院。ポワティエにあるこの修道院の内部は、11世紀から12世紀に描かれた保存状態のよい数々の美しい壁画で飾られています。

ピアナのカランク、ジロラタ湾、スカンドラ自然保護区を含むポルト湾 1983 コルシカ地方
コルシカ地方自然公園の一部となっている保護区は、切り立つ赤い花崗岩の断崖が目を引くスカンドラ半島にあります。保護区内はマキと呼ばれる常緑灌木が生い茂り、カモメ、鵜、海鷲の生息地となっています。人が近づけない小島や洞窟が点在する海はどこまでも澄み、海の生物の宝庫。

ナンシーのスタニスラス広場、カリエール広場、アリアンス広場 1983 ロレーヌ地方
スタニスラス王が造営した広場は絢爛豪華なロココ芸術の傑作かつナンシーの人々の憩いの場。優美な鉄骨細工が施されたネプチューンの門は昼もさることながらライトアップされる夜は一層の輝きを増し、広場の豪華さに拍車がかかります。

ポン・デュ・ガール 1985 ラングドック・ルシヨン地方
ポン・デュ・ガールはニームの水道(全長50km)をガルドン川に渡すため、時代が紀元前から紀元後へ移る少し前に建設されました。三層構造をもつこの橋の高さは50m、最長部分の長さは275m。ローマ時代の水利技術者や建築家がつくりだした土木技術上の最高傑作であり、至宝の芸術作品です。

ストラスブールのグランディル 1988 アルザス地方
二手に分かれたイル川に挟まれた「グラン・ディル(“大きな島”の意)」は、ストラスブールの歴史地区を構成しており、その限られた区画に傑出した歴史遺産のいくつもあります。大聖堂、古い四つの教会、司教館として建てられたロアン宮などは、それぞれ別個の歴史遺産としてあるのではなく、中世都市の機能性と、15世紀~18世紀のストラスブールの変遷を今に伝える旧市街と見事に一体化しています。

ランスのノートル・ダム大聖堂、トー宮殿、サン・レミ聖堂、サン・レミ博物館 1991 シャンパーニュ地方
ランスは中世から1825年にシャルル10世が即位するまで歴代25人の国王の戴冠式が行われた町。式典が行われたノートル・ダム大聖堂をはじめ、ゴシック様式の建物が輝かしい歴史を物語ります。 

パリのセーヌ河岸 1991 イル・ド・フランス地方
ルーヴル宮殿からエッフェル塔まで、あるいはコンコルド広場からグラン・パレやプチ・パレまで――セーヌ河からパリの変遷と歴史をたどることができます。ノートルダム大聖堂とサント・シャペルはまさに建築上の最高傑作。また、オスマンが整備した広大な広場や大通りは、19世紀末から20世紀にかけて世界中の都市計画に影響を及ぼしました。

ブールジュのサン・テティエンヌ大聖堂 1992 サントル・ロワール地方
均整のとれた空間構成と統一感に秀でたブルジュのサン・テティエンヌ大聖堂は、12世紀から13世紀末にかけて創建され、ゴシック芸術の最高傑作とされています。タンパン、彫刻、ステンドグラスはとくに秀逸。聖堂には建築美もさることながら、中世フランスにおけるキリスト教信仰の強さが映し出されています。 

アヴィニョン歴史地区:法王庁、大司教座総体および、サン・ベネゼ橋 1995 プロヴァンス地方
アヴィニョンに法王庁が置かれたのは14世紀のこと。ゴシック建築の至宝とされる法王宮殿は、アヴィニョンの町や城壁のほか、12世紀に建設されたローヌ河にかかるサン・ベネゼ橋(半分しか残っていません)を見下ろすように建っています。城塞としての厳めしい外観とは対照的に、宮殿の内部はシモーネ・マルティーニやマッテオ・ジョヴァネッティによって壮麗な装飾が施されています。宮殿の足元にはプチ・パレや、ロマネスク様式のノートルダム・デ・ドン大聖堂があり、14世紀のヨーロッパキリスト教世界にアヴィニョンが果たした多大な役割を物語る貴重な遺産群を形成しています。 

ミディ運河 1996 ラングドック・ルシヨン地方、ミディ・ピレネー地方
地中海と大西洋を結ぶ総延長360kmの水路と、閘門(ロック)、水路橋、橋、トンネルなど328の構造物をもつミディ運河。1667年から1694年にかけて建設され、産業革命への端緒を開いたこの運河は、近代の卓越した土木工事の典型例となっています。運河の発案者ピエール=ポール・リケが建築美と景観美にこだわったため、技術的に素晴らしいだけでなく、優れた芸術作品ともなりました。

■■ピレネーのモン・ペルデュ 1997 ミディ・ピレネー地方
フランスとスペインの国境にまたがるピレネー山脈中心にそびえるのがモン・ペルデュ。この石灰質の山塊の標高は3,352m、登録対象となった地域の総面積は30,639haにのぼります。スペイン側にあたる南斜面にはヨーロッパ一広大で険しい二つの峡谷が、さらにはフランス側にあるより峻厳な北斜面には三つの大規模な圏谷があり、この地方の典型的な地形を形成しています。この地域はヨーロッパの山岳地帯でかつて広く見られた農牧民の生活様式を色濃く反映した牧歌的な景観を呈しており、現在においては唯一、ピレネー山脈のこの地域だけに残されています。村落や農家、畑、牧草地、山間の道などが織り成すその風景は、ヨーロッパ社会のかつての姿を今にとどめているのも貴重です。 

カルカッソンヌの城塞都市 1997 ラングドック・ルシヨン地方
古代ローマ時代以前から丘の上に要塞が築かれていたカルカッソンヌ。現在のカルカッソンヌからは大がかりな防衛システムを備えた中世城塞都市の様子が分かります。城壁は城とその母屋、街路、美しいゴシック様式の大聖堂を取り囲んでいます。

サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼街道 1998 アキテーヌ、オーヴェルニュ、ノルマンディー、ブルゴーニュ、サントル・ロワール、シャンパーニュ、イル・ド・フランス、ラングドック・ルシヨン、リムーザン、ミディ・ピレネー、ピカルディー、ポワトゥー・シャラント、プロヴァンス地方
中世期を通じてサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼街道はキリスト教徒にとって重要な意味をもち、ヨーロッパ各地から巡礼者が集まりました。スペインにある最終目的地まで行くのに巡礼者たちはフランスを横断しなければならず、彼らがたどった4本の巡礼街道沿いには多くの貴重な史跡が残っています。 

リヨン歴史地区 1998 ローヌ・アルプ地方
紀元前1世紀に「三つのガリア」の首府としてローマ人によって築かれたリヨン。以来、その長い歴史を通じて、ヨーロッパの政治、経済、文化の発展に多大な役割を果たしてきました。各時代の豊富な歴史的建造物と都市空間が、この町が歩んできた長い歴史を如実に物語っています。

フランスとベルギー鐘楼群 1999 ノール・パ・ド・カレ地方、ピカルディー地方
1999年に「フランドル地方とワロン地方の鐘楼群」の名称で世界遺産に登録されていた32の鐘楼に追加する形で、フランス北部にある23の鐘楼と、ベルギーにあるガンブルーの鐘楼が新たに世界遺産に認定されました。11世紀から17世紀にかけて建設されたこれらの鐘楼は、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロックと多彩な建築様式でつくられています。鐘楼は中世都市住民が勝ち得た自由を象徴するものであり、イタリア、ドイツ、イギリスの都市の多くが自由の象徴として市庁舎を建てることにこだわったのに対し、西ヨーロッパ北部のこの地域では、鐘楼の建設が重視されました。領主の象徴であるドンジョン(主塔)、教会の象徴である鐘塔と並び、鐘楼は都市の景観を構成する第三の塔であり、市参事会員の権力を象徴していました。そしてそれは時代が下るにつれ、都市の権力のシンボルとなりました。 

サン・テミリオン 1999 アキテーヌ地方
登録対象地は、ブドウ畑の美しい景観と、数多くの秀逸な歴史遺産を抱える町や村から構成されています。サン・テミリヨンは、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の途上に位置する恵まれた地理的条件を備えていたため、11世紀より数多くの教会、修道院、施療院が建てられました。12世紀のイングランド支配下においては、「ジュリディクション」と呼ばれる裁判権や管轄権もつ特権的な地位を授けられています。

ロワール渓谷 シュリー・シュル・ロワールからシャロンヌまで  2000  サントル・ロワール地方
歴史ある町や村、城館をはじめとする壮麗な建造物、ロワール川に代表される自然と人との長い関わり合いから生まれた耕作地――ロワール渓谷には豊かな文化に裏打ちされた美しい風景が広がっています。

中世都市プロヴァン 2001 イル・ド・フランス地方
中世城塞都市プロヴァンは、かつて栄華を誇ったシャンパーニュ伯領の中心に位置し、ヨーロッパ各国の商品を扱う大規模な市場と、羊毛産業の形成・発展により栄えてきました。プロヴァンには市場の開催と、それに伴う経済活動を円滑に行うために設計された中世の町の姿が残されています。

オーギュスト・ペレによって再建された都市ル・アーヴル 2005 ノルマンディー地方
英仏海峡を臨むル・アーヴル。ノルマンディー地方にあるこの町は第2次世界大戦中、激しい爆撃にさらされました。戦火で破壊された地区は1945年から1964年にかけて、建築家オーギュスト・ペレらによる都市計画にもとづいて再建されます。登録対象地域はル・アーヴルの行政、商業、文化の中心地区。大戦後に再建された数ある町の中でル・アーヴルが異彩を放つのは、その完成された統一美によるもので、大戦前の町並みと破壊されずに残った歴史ある建物に、最先端をゆく都市計画と建築技術が見事に融合させたことにあります。ル・アーヴルの中心街は、一貫した理論、プレハブ工法、碁盤の目状に配された街路、コンクリートの可能性の追求にもとづく、戦後の建築・都市計画の白眉となっています。

月の港ボルドー 2007 アキテーヌ地方
港湾都市ボルドー。この町の歴史地区には、啓蒙主義の時代に遡る秀逸な都市・建築遺産が多数残されています。ボルドーの重要歴史建造物の数は、パリに次いでフランス第2位。この町はまた、2000年以上の長きにわたり交易の中心都市としてその歴史的な役割を担ってきました。特に12世紀以降は、イギリスやオランダとの交易が盛んになります。18世紀初頭より整備された都市計画や建築物を通じて、ボルドーは古典主義、新古典主義を代表する都市となり、統一感のある卓越した都市建築がここで花開きました。ボルドーの都市計画には、都市をヒューマニズム(人間中心主義)、普遍性、文化の担い手にしようとした啓蒙思想家たちの勝利の軌跡が刻まれています。

ヴォーバンの城塞群 2008  アルザス、アキテーヌ、ノルマンディー、ブルターニュ、フランシュ・コンテ、ラングドック・ルシヨン、ロレーヌ、ノール・パ・ド・カレ、ポワトゥー・シャラント、プロヴァンス地方 ルイ14世お抱えの軍事建築家、セバスティアン・ル・プレストル・ド・ヴォーバン(1633-1707)が手がけた軍事施設の中でももっとも秀でた12の城塞建築物群が登録対象となっています。ヴォーバンは築城の歴史に大きな役割を果たし、ヨーロッパの軍事建築物のみならず、19世紀中葉まで西洋以外の地域の建築物にも多大な影響を与えました。

ニューカレドニアのラグーン 2008  ニューカレドニア(海外領土)
南太平洋に浮かぶフランス領ニューカレドニアのラグーン(礁湖)は世界の三大サンゴ礁の一つに数えられており、類まれな美しさを誇ります。この海域は多様なサンゴや魚類の生息地となっているほか、世界でもっとも多種多彩なラグーンを特徴とするひと続きの生息地(マングローブ林から海藻牧草地まで)となっており、多様性に富んだ海洋生物が生息しています。

サラン・レ・バンの大製塩所からアルク・エ・スナンの王立製塩所までの製塩所 2009 フランシュ・コンテ地方
ブザンソンの近くにあるアルク・エ・スナンの王立製塩所の建設を手がけたのは建築家クロード・ニコラ・ルドゥー。ルイ16世の治世の下、1775年に建設工事が始まったこの製塩所は、「啓蒙の世紀」の進歩の理想を反映した大型産業建築物のさきがけでした。この半円形の大規模な構造物は、製塩作業を合理的かつ組織的に行うために設計されています。


司教都市アルビ 2010 ミディ・ピレネー地方
アルビの司教都市は、長い歳月を経ても変わらぬ姿をとどめる統一感あふれる街並みと歴史建造物から構成されています。13世紀、カタリ派討伐のためのアルヴィジョワ十字軍の直後にアルビは強力な司教都市となります。そびえたつ要塞化した大聖堂は、この地方でつくられたピンクやオレンジ色のレンガを使い、独特の南仏ゴシック様式を用いて13世紀に建てられた歴史建造物で、ローマカトリック教会の権勢再興を物語っています。また、タルン川を見下ろすようにして建つ広大なベルビ宮殿はかつての司教たちの住まいで、中世期の住宅地区がその周りを囲んでいます。 

レユニオン島の尖峰、圏谷および絶壁群 2010 レユニオン(海外領土)
登録対象地域はインド洋南西部に浮かぶフランス海外領レユニオン島の面積の実に40%に当たり、面積は100,000ha以上。この島には二つの火山があり、断崖、峡谷、森の生い茂る盆地が息を吞むような景観美をつくりだしています。亜熱帯雨林、霧林、荒野(ランド)が広がっており、生態系と独特の景観が美しいモザイクをつくりだしています。 

コースおよびセヴェンヌ地方 - 地中海の農業・牧畜の文化背景 2011  ミディ・ピレネー地方、ラングドック・ルシヨン地方
登録対象地域は面積302,319ha、フランス中央高地の南部に位置し、深い谷が織り成す山岳景観を形成しています。地域内には家畜の通り道や移牧のための道が走っており、農業・牧畜業と生物・自然環境とのつながりが強く感じられます。コース地方の高台にある村や石造りの農家には、11世紀以降この地に建てられた大修道院の影響が反映されています。地域内にあるロゼール山は、家畜の道を使い、今なお伝統的な方法に準じて夏の移牧が行われている数少ない場所です。 

アルプス周辺の先史時代の湖上住居遺跡群 2011  フランシュ・コンテ地方、ローヌ・アルプ地方
この登録はアルプス山脈およびその周辺に残る111の先史時代の杭上住居跡が対象となり、そのうちの56がスイスにあります。紀元前5000年前から紀元前500年頃に遡るこれらの住居跡は、湖や川、湿地帯のほとりにつくられました。保存状態のよい住居跡は非常に貴重な考古学遺跡を形成しており、新石器時代、青銅器時代のアルプスの日常生活や、共同体と環境との相互作用などアルプス地方における初期農耕社会の研究の重要な情報源となっています。  

ノール=パ・ド・カレーの鉱業盆地 2012  ノール・パ・ド・カレ地方  ノール・パ・ド・カレ鉱山盆地は、ヨーロッパ大陸の炭鉱の中で最西端に位置し、北西ヨーロッパの中ではドイツのルール鉱脈の次に規模の大きいもので、特徴的なのは、大規模かつ全てが地下に埋まっている唯一の鉱脈という点です。表面上は目立たない起伏が、鉱山活動の開発方法、構造、土地利用に直接影響を与えました。よって、この鉱山は広範囲に線上に広がり、全長120キロメートル、幅12キロメートル、深さ1.2キロメートルです。3世紀にわたった鉱山開発は、石炭文化発展の時代を証言します。

ショーヴェの洞窟壁画とポン・ダルク 2014 ローヌ・アルプ地方
この壁画は旧石器時代の物と推定されています。1994 年に地元の探検家により発見された洞窟の壁にはクマ、ライオン、サイ、ウマなど14種、425体の動物が見られ、ライオンが群れで狩りをする様子など が壁面の凹凸を巧みに利用して生き生きと描かれています。大きな謎は壁画の制作方法。狩猟採集生活を 送っていた私達の祖先は、暗闇の中で小さな明かりを頼りにどのように壁画を描いたのでしょうか?

 

シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ 2015 シャンパーニュ・アルデンヌ地方 
17世紀初めから19世紀の産業化初期の時代にかけて、ボトルの中で第2次発酵をさせてスパークリングワインを生産する優れた技法が発達しました。その製造工程全体に関わるシャンパーニュの丘陵、メゾン、地下貯蔵庫群が、世界遺産として登録されました。シャンパーニュのなだらかな丘陵に広がるブドウ畑はフランスを代表する景色でもあり、石材を切り出した後の地下空間が熟成庫として利用されるなど、人々が土地と結びつき、自然に働きかけて作り上げてきた景観でもあります。人々の功績や独自の生産・醸造・販売手法が、世界的に名の知れたワインを生み出しました。

ブルゴーニュのブドウ畑のクリマ 2015 ブルゴーニュ地方
ディジョンの南、コート・ド・ニュイからコート・ド・ボーヌの丘陵地に広がるブルゴーニュのブドウ栽培地域は、クリマと呼ばれる明確な土地区画で仕切られたブドウ畑で構成されています。そしてこのブドウ栽培地域は、自然条件(地質、日照条件、ブドウの品種など)がそれぞれに異なっており、そこに人々の営みが加わることで独特の景観を形成し、各区画で少しずつ特徴のあるワインを作り出してきました。

 


ル・コルビュジエの建築作品群 2016 
ル・コルビュジエは主にフランスで活躍した建築家で、近代建築三大巨匠のひとりと呼ばれ、 「住宅は住むための機械である(Machine a habiter)」という思想のもと、鉄筋コンクリートを使った建築作品を数多く作り、今ではその多くが歴史的建造物として保護されています。対象は7カ国17作品で(上野の国立西洋美術館を含む)、フランスでは10件の建築が登録されました。