日本人建築家が手掛けたフランスの建築

Published on 2013年 3月 05日
日本人建築家が手掛けたフランスの建築 1 Parvis des Droits de l’Homme 57020 Metz

日本人建築家が活躍の場を世界に広げています。斬新なアイディアや高度な設計技術は芸術の国フランスでも高く評価され、日本人建築家の案が採用される例が増えてきています。専門性の高い旅行にも取り上げられる注目の施設をご紹介しましょう。


① 隈研吾によるブザンソン芸術文化センター
ブザンソンはパリから直行のTGVで約2時間半、人口約11万人の、スイスと国境を接するフランシュ・コンテ地方の県庁所在地です。ドーム川がΩ(オーム)形を描く輪の中にある町で、中世の佇まいが町中に広がっています。1948年にブザンソン国際音楽祭が開かれ、1959年には小澤征爾さんがグランプリを獲得して世界デビューをしています。

そんな芸術と縁の深いブザンソンに「ブザンソン芸術文化センター」が2013年4月6日にオープンします。地方近代アート芸術財団とコンセルヴァトワール(高等音楽学校)の施設として芸術文化を世界へ発信します。

着工から約2年。落成式にはフランス文化交流大臣をはじめ、パートナー企業、ならびに設計者の隈研吾さんもご出席の予定です。日本を代表する建築家の一人で、1997年には日本建築学会賞を受賞。東京では、サントリー美術館や根津美術館などを手掛けています。日本には隈研吾建築都市設計事務所そしてパリにも2000年にKuma & Associates Europeを設立しています。

ブザンソン芸術文化センター
Cité des Arts et de la Culture
12 Avenue Arthur Gaulard, 25000 Besançon
contact@citedesartsetdelaculture.fr
http://www.citedesartsetdelaculture.fr/  (フランス語のみ)

② SANAAによるルーヴル美術館別館、ルーヴル・ランス 
ランス(Lens)はパリから直行のTGVで約1時間、人口36.000人程のノール・パ・ド・カレ地方にある街です。かつての鉱山地帯で昨年ユネスコ世界遺産に登録されたことで有名になりました。12月12日にはルーヴル美術館別館であるルーヴル・ランスがオープンして注目度はさらに増しています。

設計は一般公募され、120を超える案の中から日本の設計事務所SANAAの案が採用されました。建物の外観はパリのルーヴルとは対照的にガラスやアルミニウムを用いた低層のミニマルなデザインになっていて、周囲の景観によく溶け込んでいます。

主な展示スペースは「時のギャラリー Galerie du temps」と名付けられ、古代美術、中世美術、近代美術を時の経過とともに楽しめる工夫がされています。普通の美術館と違うところは所蔵品を持たず、パリのルーブル美術館から作品を持ってきて展示するという方法です。作品により展示期間は異なりますが、1年ごとに全体の20%の作品を入れ替え、5年経つと展示品が一新される予定です。つまり、訪れる時期によって同じ美術館でも以前と違う作品に出会うことができます。

SANAAはサナアと読み、設計事務所の代表者である妹島(せじま)さんと西沢さんの頭文字をとったものです(Sejima And Nishizawa And Associates)。日本での代表作は金沢21世紀美術館や、ディオール表参道など。パリで現在進行中のサマリテーヌ百貨店のリニューアルも手掛けています。2010年には建築界のノーベル賞ともいえるプリツカー賞も受賞。世界から熱い視線が注がれています。

ルーヴル・ランス
Rue Paul Bert, BP 11, Rue Hélène Boucher, 62301 Lens
info@louvrelens.fr
http://www.louvrelens.fr/ (フランス語のみ)

開館時間:5月15日~9月15日は07:00~21:00/9月16日~5月14日は08:00~19:00
入場料:時の回廊を含む一般スペースは2013年の年末まで無料(特別展示会場は9€)

③ 坂茂によるポンピドゥーセンター・メッス
メッスはパリから直行のTGVで約1時間半、ロレーヌ地方にある人口13万人程の街です。古くから交通の要として発展してきました。シャガール作のステンドグラスがあるゴシック建築の傑作、サンテティエンヌ大聖堂が有名です。

ポンピドゥーセンター・メッスは、パリのポンピドゥーセンターの別館で、2010年5月にオープンした芸術文化センターです。斬新な外観は建設中の時からすでに話題になっていました。開館以来、スペクタクルや映画上映、講演会など、1年を通じて多彩なイベントを実施し、ダンスや芝居、パフォーマンス、音楽コンサート、映像上映などジャンルの異なるアート間の交流を奨励しています。

坂茂さんは東京都出身の建築家で、日本建築学会賞にも輝いています。作品の特徴として建物の構造に紙官を用いた点が挙げられます。その代表的な建物が「紙の家」や「紙の教会」などでしょう。

ポンピドゥーセンター・メッス
Centre Pompidou-Metz
1 Parvis des Droits de l’Homme  57020 Metz
contact@centrepompidou-metz.fr
http://www.centrepompidou-metz.fr/en/welcome
開館時間:月水木金は11:00~18:00、土は10:00~20:00、日は10:00~18:00
定休日:毎週火曜、5月1日

見どころ