コースとセヴェンヌ、地中海の農耕・牧畜の文化的景観

Published on 2013年 1月 25日
  • © Atout France/R−Cast

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コースとセヴェンヌ、地中海の農耕・牧畜の文化的景観 Cévennes fr

フランス中央高原にある石灰岩台地が密集する地域「コース地方」と「セヴェンヌ地方」が、2011年6月にユネスコ世界遺産に登録されました。同地方は樹木の生えていない花崗岩質の台地地帯として知られ、雨水の溶食によって谷が刻まれたカルスト地形を形成する奇岩地帯が広がります。

世界遺産に登録されたのは、アヴェロン県、ロゼール県、ガール県、エロー県の4つの県にまたがり、134もの市町村が含まれる延べ3000キロ平方メートルの広大な地域です。この一帯は風光明媚であるだけでなく、「発展を続ける文化的景観」でもあり、また「農牧業の普遍的役割を守っている」(特にロックフォールチーズで知られる羊の非集約型牧畜を今日も実践し続ける場所)として優れた景観であるとして、その価値が認められたものです。

羊飼いが生み出した景観

この地方独特の土地形態は、1000年以上に及ぶ羊飼いの放牧の歴史が生み出したものです。羊飼いたちは狩猟と牧畜、採集を同時に行いました。高原に羊を連れて放牧することによってできた山道や、羊たちに水を飲ませたドリーネ池(石灰質の土地が降雨等で浸蝕されできた窪地)を今日も目にすることができます。羊飼いたちは、岩場の間を流れる清水の上に橋を築いたり、風雨にさらされるのを防ぐために洞窟を使ったりしました。その過程で洞窟内で作られるようになった雌羊の乳のチーズがロックフォールチーズです。

今日もコース地方とセヴェンヌ地方では、古くから伝わる移牧を継承し、実践し続けています。同地域は国内でも過疎地化している場所として知られていますが、かつて域内の面積のほとんどは山々(森林)が占めていました。そこが羊飼いの手によって開拓され、コントラストに富んだ美しい自然風景が生み出されたのです。西側にはコース地方の主要な石灰岩台地(ラルザック高原、コース・メジャン高原)、東側にはセヴェンヌの渓谷、中央部から北部には花崗岩質のロゼール山やエグアル山があります。

見どころ