住吉美紀さんの縦横無尽に巡るフランス !

Published on 2017年 11月 21日
住吉美紀さんの縦横無尽に巡るフランス !

フリーアナウンサーとしてテレビにラジオに活躍中の住吉美紀さん。お仕事でもたくさんの世界遺産を巡る旅をされているのでそのお話を、と伺ったのですが、実はフランス旅行の経験はそれ以前からあったようで…

 

住吉さん: 小さいころからフランス語のサウンドに憧れていて、大学では週3回1年間フランス語の授業を受けました。その語学を試したいのもあって大学2年生の夏休みに、友達と二人でバックパッキングでフランスに初上陸しました。当時バックパッキングが流行っていて、夏休み冒険するぞ!何も決めずに行こう!お金もあんまりかけずにユースホステルで行くぞ!みたいな意気込みで行きましたね。しかも学生っぽく、東西南北フランスの端っこを訪ねる、っていうのを旅のテーマにしたんです。

 

France.fr: それはなかなかオリジナルなコースですね。フランス一周はかなり長期間かかったんじゃないですか?

 

住吉さん: 全部で25日間くらいの旅でした。もちろんスマホもない時代ですから、紙の地図を広げて、白地図にペンでいろいろ書きこんで。

移動は電車で、宿泊はほとんどユースホステル、食事もほぼスーパーでチーズを買って食べたりして。私はコンテチーズにはまって、おいしいおいしいって毎日食べてたんですけど、旅の終盤には毛穴からコンテの匂いがしてましたよ(笑)。最終日だけはちゃんとしたレストランで食べました。

いろんなものがバーチャルな現在から考えたら本当に体当たりのフランス旅行でした。やっぱり実際に体感すると、真夏で汗だくになりながら移動してたなとか、その距離感とかリアルな記憶で残ってますね。

当時使った地図にはペンで旅程が書き込まれ、旅の様子は一冊の大きなアルバムに記録されていました

France.fr: 東西南北一周の旅。訪れた街の様子も教えて下さい。

 

住吉さん: 東フランスのストラスブールに行ったときには、川を越えるともうドイツという場所なので、橋の途中から目に見える国境もなしにドイツに入れちゃうんですね。日本で言うと県境を越えるくらいの感覚で。それが新鮮で、国境なんて意味ないんだっていうのを実感しました。いわゆるフランスのイメージとはまた違うドイツ風の街並みで、木組みの建物のバルコニーにベゴニアが飾ってあったり。ヨーロッパって文化と文化が隣接してるんだっていうのを肌で感じましたね。

(左)ストラスブールの街並み(右)橋を歩いてドイツに渡った住吉さん

北の街カレーはあまり観光地という感じではなくてアジア人も珍しいみたいでしたけど、ノルマンディー上陸作戦の場所なので、戦争を記録した平和記念館とか、街中にも兵隊の像があって、世界史のリアルを初めて踏みしめた気がしました。

西フランスは端っこのブレストからいくつか街を回っていきました。私はブレスト一帯が一番好きでしたね。中でもヴァンヌっていう小さな町は、ヨットハーバーにカフェがあって、のんびりした海沿いの街の空気感なんかが大好きになりました。ちょっと自分が育ったアメリカ西海岸にも雰囲気が似てるなあと思いました。

(左)ヴァンヌの街並み(右)ヨットハーバーの写真がアルバムにも「カフェでボーっとするのは最高!」

南フランスはニース。南仏リゾートの雰囲気ですよね。ニースの隣のエズっていう村(鷲の巣村で海岸線が見下ろせる)にも行ったんですけど、持ってたガイドブックに「下から歩いても軽いハイキングです」って書いてあったから歩いて行ったら、2時間近くかかって登山のようになっちゃって(笑)。ゼイゼイ息を切らして登ったら、ほとんどの人が大型バスで悠々と来てましたよ。でもやっぱりとっても良かったです。昔のガイドブックって、実際行ったら違ったみたいなことはよくありました。でもそれも楽しかったんですけど。

(左)エズで記念撮影「あの海のとこから登ったのよ」(右)エズから見下ろす絶景

この旅行は大学時代に自分を形成した大きなイベントだったんで、NHKの入社試験でも書いたくらいです。

 

France.frその入社試験にみごと受かってNHKアナウンサーになられて、お仕事でも世界遺産中継や紀行番組で現地に行かれていますよね。特に印象に残ったところはありましたか?

 

住吉さん: 南仏プロヴァンスのオランジュ(Orange)はすごく好きでしたね。ローマ時代の古代劇場が世界遺産として残っていて、その大きさや石造りの歴史には圧倒されるんですけど、一方で市街地に行くと普通の生活があって、街自体もこぢんまりとしている所が良かったですね。あまりにも観光化されたところだと、街自体が仮面をかぶっていて、ファンタジーの世界に入ってしまったようなんですけど、オランジュでは舞台裏が見えたような、この町に暮らしたらどんな感じだろうって想像できて良かったです。ふとした路地なんかを歩くと、お化粧してないすっぴんの街がのぞける気がします。ヨーロッパの街はすっぴんでも美しいですしね。

オランジュの古代劇場

あと、これも番組で行ったんですが、ボルドーの近くのワイン産地サンテミリオンも印象に残っています。ワイナリーに案内してもらって、ビンテージワインのとっておきのを見せてもらったり、畑の土が大事だと言って土をちょっと食べて説明してくれたり。

実は私はそれまでワインに興味ゼロだったんですけど、ちょうど収穫祭の時期で、その年のワインの試飲も兼ねたランチョンパーティーに参加したんです。ワインのマリアージュを楽しむ郷土料理のコースなんですけど、1つのお料理に3種類くらいのワインが出てくるんです。こんなに飲めないなって思っていたら、隣に座ってた現地の方が、一口だけでいいからとにかく全種類飲んでみなさいと教えてくれたんです。ワインはそうやって楽しむものだからって。言われた通りに飲んでみて、初めてマリアージュというものが分かったんです! 2、3種類合わせていくと料理の味わいが変わったり、私はこれが好きだな、とか。生まれて初めてワインに興味が湧いたのがサンテミリオンでしたね。

サンテミリオンのぶどう畑と裏路地の風景

France.fr 住吉さんは今Tokyo FMの朝の番組「Blue Ocean」で、女性リスナーに向けてお話しされています。現代の女性たちにとって、フランスは魅力的なデスティネーションであり続けているのでしょうか。

 

住吉さん: ブルーオーシャンでは女性の生き方のテーマでフランスのトピックを紹介することがありますけど、フランスは進んでるという取り上げ方をすることが多いですね。女性が生きていくうえでの問題とか、恋愛とかも含めて、本質的なところを見て生きているように感じます。大人と言うのか、自分の生き方は自分で選べばいいという考えが徹底しているっていう印象があります。

フランス旅行ということで言うと、今の女性は人それぞれ、環境とか立場によって本当に違いますからね。アバウトに30代女性におすすめ、とか言っても誰もピンと来ないかも(笑)。ニッチでもピンポイントでにアピールするような、そのためにわざわざ行くの? みたいな所とかの方が、旅をする現代女性にはより魅力的なのではないでしょうか。

 

France.fr: 是非、参考にさせて頂きます。住吉さん自身は、次のフランス旅行でやってみたいことはありますか?

 

住吉さん: 私が個人的にいつかやってみたいのは、着物でオペラ座に行ってみたいんですよ。海外で仕事してる時に見ていると、この場面で着物着たら絶対にプラスになるなって思うこともあるんですよね。今、ようやく着付けができるようになったので、海外の着ごたえのあるシチュエーションでって思ったら、やっぱりオペラ座で着てみたい。まわりの人とも着物を通して交流できるだろうし、絶対楽しいよなって思います。

パリ オペラ座

France.fr :オペラ座での着物姿、インスタで見られる日をお待ちしています。最後に、これから海外旅行に行く方に旅のアドバイスはありますか?

 

住吉さん: 私自身は旅に出るときは何となく行くって感じじゃなくて、テーマを決めて行く旅が好きなんですね。

情報は無数に溢れてますけど、時間がある人はお金が限られてたり、お金がある人は体力が限られているとか、どうせ何か限られてる中でどうやって楽しむかっていう時に、全部やろうとすると疲れちゃうんですよ。なのでこれとこれだけは必ずすると決めて、あとは体調次第、その日の気分次第にした方が旅って楽しくなりますよ。

強烈にやってみたい事から旅先を決める。このレストランだけは行く!あとはフリー、とか。このワインが好きだから、このワイナリーを訪ねるみたいな。自分にとって価値のある目的を決めて。その方が心も動くし、心にも残るし。人に会いに行く旅っていうのも良いと思いますよ。旅先として自分では選ばないような所に行くのも面白いですよね。

 

自分が思い描いていることって本当はすごく限られているので、視野が実は狭いよっていうのが大人になっていろいろ分かりました。意外に期待してなかったものが良かったり、すっごく期待してると、なにこれ、みたいなのもあるから(笑)、出逢いとハプニングとご縁に乗っかっちゃうってことを、お勧めしたいです。どうせハプニングこそが思い出になるから。もしバスが止まって行けなくなっちゃったとしても、隣の人が親切にしてくれたな、ってことが旅の楽しみになりますから。

 

 

住吉美紀:

フリーアナウンサー/エッセイスト

1973年生まれ。国際基督教大学(ICU)卒業。1996年 アナウンサーとしてNHK入局。「プロフェッショナル 仕事の流儀」、「スタジオパークからこんにちは」等の人気番組を担当。「第58回NHK紅白歌合戦(2007)」では総合司会を務める。2011年4月よりフリーに。

現在は、TOKYO FM「Blue Ocean」(月~金 8:55~)にてパーソナリティーを務める。

小学校時代はアメリカ・シアトル、高校時代はカナダ・バンクーバーで過ごした経験から英語を生かした海外取材や中継も多く経験。全米ヨガアライアンス認定のヨガ指導者資格を持つ。趣味は茶道、着物、日本料理、音楽。