ミディ・ピレネーの郷土料理

  • © Atout France/Patrice Thébault

ミディ・ピレネーの郷土料理 toulouse fr

ミディ・ピレネー地方の魅力のひとつである多彩な郷土料理を紹介します。

食前酒

まず、食欲を増進させるミディ・ピレネー地方特有の食前酒として、アルマニャック地方で生産されるブランデー、アルマニャックを使ったカクテルがあります。まず、ジェール県では、アルマニャックと弱発泡性の白ワインを合せたカクテル“プス・ラピエールPousse-Rapière”が有名です。もう一つ評判の食前酒に“ル・フロック・ド・ガスコーニュ le Floc de Gascogne” があります。フレッシュなブドウ果汁と若いアルマニャックで作られるリキュールで、赤と白があります。4世紀に及ぶ歴史があり、厳しいAOCの規制に従って製造され、その認可を受けています。

そして、アリエージュ県 Ariège では、人々は“イポクラ Hypocras” で満たされたグラスで“乾杯”の声を揃えます。“イポクラ Hypocras” は中世を紀元とする薬酒で、白ワインをベースに薬草とスパイスを漬け込んだ琥珀色の甘い飲み物です。

前菜

ミディ・ピレネー地方といえば、どこでもフォアグラが不変の定番です。この誰もが認めるご馳走は、それぞれの農家、或いは、小さな生産施設で伝統を守りながら、ガチョウや鴨のフォアグラをめぐって数々の新しい食べ方を考え出しました。

鴨料理

そもそも鴨料理には様々なアレンジがあります。マグレ(胸肉)のグリル、エギエット(薄切り胸肉)、手の込んだコンフィ、香りづけされたパテ、フリットン(パテの一種)、砂袋のサラダなどにして鴨肉を食べます。

 

豚肉

オー・ラングドック地方自然公園内で丁寧に作られたラコーヌ Lacaune のシャルキュトリー(ハム・ソーセージなどの豚肉製品)もその熟練した生産姿勢が、高く評価されています。ガスコーニュの黒豚は100%自然の中で育てられた地元の品種で、繊細で味わい深いハムはきっと気に入っていただけることでしょう。また、ガルビュールもぜひ味わってください。

このピレネー地方のスペシャリテは、ジャガイモやキャベツ、タルブのインゲン豆、すね肉で作った小さな乾燥ハムなど、少しずつ色々な具材を加えたスープで、エネルギーが湧いてきます。

 

メイン料理

トゥールーズのカスレが有名です。タルブのインゲンにガチョウのコンフィ、豚すね肉のハム、豚皮のソーセージ、ハーブ、ニンニク、ナツメグを煮込みます。本物のカスレーがテラコッタ製の小さなボールにサーブされるまでには、長い調理時間を要します。

アヴェロン県では、フレッシュなトム・チーズがまるで長いマフラーのように糸を引くアリゴと、塩味を付けずに干した鱈を使ったエストフィナードという名物料理があります。この二つの独特な郷土料理はジャガイモをとびきり美味しく引き立てます。

ケルシー地方Quercyで母乳によって育てられたフェルミエ(農家の)子羊、ジェール県で放し飼いされたフェルミエの鶏、オブラック山地 Aubrac で放牧された牛、またはガスコーニュ産牛肉のグリル、母牛のミルクで育てられたアヴェロンやセガラ高原 Ségala の子牛など。ミディ・ピレネー地方の生産者は食肉に関して、トレーサビリティ(追跡可能性)、自然飼料、動物保護を保証しています。

 

チーズ

山羊、牛、羊のミルクから作られたチーズが特産です。口の中でとろける小さな丸い形の“ロカマドゥールRocamadour”、石灰台地に自然にできた洞窟で熟成させた名声の高い“ロックフォール Roquefort”、ロックフォールと同様に洞窟の奥深くで熟成させた“ブルー・デ・コース Bleu des Causses”、アリエージュ県のカーヴで芳香を放つ“トム・デ・ピレネー Tomme des Pyrénées”、オブラックで先祖代々の製法に従って作られたラギオル村 Laguiole のチーズなど沢山の名品があります。


デザート

ミディ・ピレネー地方のお菓子にはしばしば突飛に見えるものがあります。そのひとつがガトー・ア・ラ・ブロッシュで、蒔を焼べた火の上で根気よく長時間をかけて作ります。薄い層をひだ状に盛り上げて幾重にも重ねて作るパスティス・ガスコンもまた並外れた器用さが必要になります。

フルーツで言えば、ケルシー地方やレクトゥール Lectoure のメロンは果肉が甘くとろけるような食感でとても人気があります。完熟してから収穫され、夏の間が旬です。ほかにもフルーツでは、モワサック産のブドウ“シャスレア・ド・モワサック Chasselas de Moissac”があります。フランスではもっとも有名な白ブドウの品種で、生食用のフルーツでは珍しいAOCが認められています。

 

ワイン

ミディ・ピレネー地方の食卓にワインは欠かせない存在です。

まず、ブドウ畑の花形、AOCが認められているカオールCahors、ガヤック Gaillac、フロントン Fronton、マディラン Madiran、マルシヤック Marcillac があります。これらの高級ワインの系統樹は古代まで遡り、それぞれ異なるアロマや色調、組成をいくら形容しても飽きることはありません。

また、ミディ・ピレネーにはVDQS規格に入っているワインもあり、コート・ド・サン・モン、コート・ド・ブリュロワ、ヴァン・ダントレイグ・エ・デュ・フェル、ヴァン・デスタン、コート・ド・ミヨーのすべてが由緒ある銘柄です。心地よく飲めるヴァン・ド・ペイのカテゴリーには、コート・デュ・タルン、コンテ・トロサン、コート・ド・ガスコーニュなどがあり、これらすべての華やかなワインがミディ・ピレネーの大地と太陽のもとで育まれています。

さて、これらの芳しいご馳走の数々を締めくくるのはアルマニャックです。芳醇なアロマを持つ洗練されたこの蒸留酒は14世紀に誕生し、その製法は代々受け継がれる中で今も続いています。ジェール県で熟成されるアルマニャックも有名です。

見どころ