新城幸也選手インタビュー

新城幸也選手インタビュー mont saint michel fr

ツール・ド・フランスを過去5回完走した唯一の日本人、新城幸也選手。

2月の大怪我から驚異的な復活を見せた新城選手は、復帰レースとして参戦した「ツアー・オブ・ジャパン」の伊豆ステージで見事ステージ優勝を飾り、その超人的な体力と精神力に誰もが驚かされたのでした。

そして今彼は「ツール・ド・スイス」の出場を経て、7月2日にモン・サン・ミッシェルで開幕のツール・ド・フランスの舞台に挑もうとしています。

 

〝世界のアラシロ″が持つもう一つの肩書が「フランス観光親善大使」。2002年に渡仏して以来、フランスを拠点にした生活を続けており、誰より〝フランスの絶景を知る男″であり、現地のライフスタイルも精通しています。

 

就任式の際に「ボクにしか見えないフランスの景色がある」と語ってくれた彼に、ツール・ド・フランスの醍醐味について伺いました。

 

 

「ツール・ド・フランス」はずばり、新城選手にとってどういう存在なのでしょう。

新城選手: 野球少年が大リーグに憧れるように、サッカー少年がW杯に憧れるように、自転車少年はツール・ド・フランスに憧れます。それは僕にも同じです。夢で目標なんです。1年に1回のツール・ド・フランスの為に準備、生活しています。

 

ツール・ド・フランスをTV放送で見ていると、選手たちが健闘する姿と共に、ダイナミックな空撮映像でフランス各地の絶景や史跡が次々と目の前に流れるので、「現地を旅しているような気分」が味わえます。選手の皆さんはサドルの上からでもそんな景色を楽しんだりする余裕はあるのでしょうか。

新城選手: もちろん、レースが動いていない時は景色を見ることも出来ますが、レースが活性してしまうと、遠くを見ている暇がありません。しかし、登りきった頂上からの景色はどんなにきつくても楽しむことができます。

 

では、これまで走った「ツール・ド・フランス」のコースの中でも心に焼きついた景色や場所はありますか。

新城選手: 忘れられない場所は、モン・サン・ミッシェルですね!フランスで10年以上も生活しているのにも関わらず、一番近くに行けたのは2013年の百回記念大会の時でした。第11ステージで、モン・サン・ミッシェルがゴールのタイムトライアルのゴールだったのです。モン・サン・ミッシェルと対岸をつなぐ道路の上にファンが大勢詰めかけ、自分への声援を聞いたときは鳥肌がたつほどの興奮と感動を覚えました。

 

今年のツール・ド・フランスは、そのモン・サン・ミッシェルがグラン・デパール(開幕地)ですから、日本から応援に駆け付ける方も多いでしょう。開幕後3日間はさらにノルマンディー地方を走り続けるコースです。じつは新城選手、渡仏して始めて住んだ場所がノルマンディーだったそうですね。その時の思い出を教えて頂けますか。

新城選手: 石垣島とあんまり変わらない畑がたくさんの田舎だなぁ〜と(笑)

農家に居候させてもらっていたので、まず、朝起きるとうさぎの餌やり、その後に朝食を食べて、農家のおばさんのとこにコーヒーを飲みに行き、フランス語講座。そのおかげで、言葉を覚える事が出来ました。初めての海外だったので、色々な思い出が詰まった場所です。

 

ノルマンディーは牧歌的な風景が魅力ですけど、まさにその中で生活されていたとは。暮らしの中で言葉が覚えられるなんて最高の環境ですね。それも農業大国ノルマンディーならチーズの種類なんかとても多く覚えられそう(笑)
ツール・ド・フランスは文字通り自転車で「フランス一周」してしまうレースですから、行く先々でフランスの美味しい郷土料理とワインが待っている訳です。場違いな質問でしたら申し訳ありませんが、選手の方々はそんな食事やワインを楽しむ余裕はあるのですか。

新城選手: 残念ながら、郷土料理は口にすることはほとんど出来ません。食材はシェフが調理可能であれば、口に出来ます。例えば海の近場であれば新鮮なお魚や、季節の果物ですね。

ワインはもちろん、その土地のものを頂くこともあります。差し入れですね!(笑)たださすがに翌日のレースに差し支えぬ程度にということで、地元が誇る「とっておき」のワインを嗜む程度に(笑)いただいています。

 

確かに、あれだけの名醸地や美食スポットを巡るのですから、それに一切目をつぶってというのは、むしろ体には毒ですよね(笑)。

 さて、毎年変わるツール・ド・フランスのコースについては、レース展開の戦略などから、いろいろ考えるところがあるかもしれませんが、そんなプロ的な視点をあえて脇に置き、個人的な視点から「これがあるからこの土地に来たかった、コースに入ってラッキー!」と思われる土地はありますか。

 新城選手: やはり、自分が住んでいた土地を通るのは嬉しいですね!

今年の場合は、ノルマンディーとミディピネレー両方の土地を通過するので、古い友人や元チームメイトや、懐かしい方々に会えるのは力にもなります。

 

ノルマンディーだけでなく、ミディ・ピレネーにも住まれたことがあるのですか。
 

新城選手: はい、トゥールーズにいたことがあります。トゥールーズのヴィクトール・ユーゴー・マルシェ(市場)で食材をさっと調達し、一日の練習に出かけたりして。


確かにあのマルシェは、サンドイッチにしやすいチーズやハム類が本当に充実していますね。それにしても、フランスを拠点とするロードレーサーは、日々の食事情にもとても恵まれていることが解ります(笑)。あんな市場が近所にあったら、毎日通ってしまいますよ。
さて、ツール・ド・フランスでは沿道で応援する人と選手の距離が近いのが魅力のひとつです。これまでこんな応援をしてもらえて嬉しかったという例はありますか。

新城選手: やっぱり、日の丸や自分の名前を書いた旗を見ると嬉しいです!

ゆっくりゴールを目指している時に渡される冷えたコーラも別の嬉しさがありますね!(笑)

 

今年は沿道から日本語の声援がひときわ大きく聞こえるといいですね。では最後に日本のファンにひとことお願いいたします!

新城選手: ぜひ、フランスに遊びに来てください!もし、ツール・ド・フランスを追いかけることが出来れば、旅行本には載っていない、こんなフランスもあるのか!?と思ってもらえると思います。
 

 

ありがとうございました。

 

 

【文責:フランス観光開発機構 広報部】

 

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