30周年を迎えた「フランスの最も美しい村々」

  • レ・ボー・ド・プロヴァンス(プロヴァンス地方)

    レ・ボー・ド・プロヴァンス(プロヴァンス地方)

    © OT Les Baux-de-Provence

  • ブーヴロン・アン・オージュ(ノルマンディ地方)

    ブーヴロン・アン・オージュ(ノルマンディ地方)

    © Mairie de Beuvron-en-Auge

  • バルフルール(ノルマンディー地方)

    バルフルール(ノルマンディー地方)

    © eva CRT Normandie

  • エギスアイム(アルザス地方)

    エギスアイム(アルザス地方)

    © Mairie d'Eguisheim

  • サン・シル・ラポピー(ミディ・ピレネー地方)

    サン・シル・ラポピー(ミディ・ピレネー地方)

    © dlebigot

30周年を迎えた「フランスの最も美しい村々」

フランスの地方をドライブしたことがあれば、絵のように美しい小さな村々を各地で必ず目にしたことだろう。日本の1.5倍の面積に半分の人口しかないフランスでは、いくつかの大中都市を除けば全土が田園地帯であると言っても過言ではない。1982年フランスで誕生し、今や日本を含む世界中に広がりを見せている「最も美しい村々」が生まれた背景をひもとくと、なかなか興味深い事実が浮かび上がる。



沿革:

「最も美しい村々」の歴史は1981年一人の男が一冊の本と出会ったことに始まる。その本とはリーダース・ダイジェスト刊の写真集「「フランスの最も美しい村々」、その男とはコロンジュ・ラ・ルージュ村(リムザン地方コレーズ県)の村長、シャルル・セラックであった。セラックがこの本の中に見出したのは、皆の力と情熱を合わせてこれらの魅力的な村々にあるすばらしい資産の保全とプロモーションにより田舎の過疎化に対処する方法だった。フランスでは1982年3月に協会が発足し、全国66カ所の村がシャルル・セラックの主旨に賛同して「フランスの最も美しい村々」協会に参加した。

このあと世界各地で同じ問題(農村部の過疎化や文化遺産の保全)に直面する国々があとに続いた。まずベルギーのフランス語圏ワロニーとカナダのフランス語圏ケベックでそれぞれ1994年と98年に「最も美しい村々」協会が発足。続いて2001年にイタリア、2005年に日本、2010~2011年にはクレタ島、ルーマニア、スペイン、ドイツのザクセンで同協会が設立された。こうした世界的潮流を受けて2003年にはフランス、ワロニー、イタリアを中心に「世界で最も美しい村々」連盟が誕生し、2010年には日本がこれに加わった。

2012年7月に南仏プロヴァンス地方ゴルド村で開かれた各国「最も美しい村々」協会総会において「世界で最も美しい村」連合会」 Les Plus Beaux Villages de la Terreが新たな定款をさだめた法人格として公式に発足。会長に「フランスの最も美しい村々」協会モーリス・シャベール会長(ゴルド村長)、副会長には日本で最も美しい村連合の浜田哲会長(北海道美瑛町長)らが就任した。



認定基準と現状:



「フランスの最も美しい村々」への登録申請に必要な要件は


・人口2000人以下であること

・公に登録された景観や史跡がが最低2件存在すること

・自治体(村議会)で登録申請が討議され賛成を得ていること

そのうえでさらに細かい項目にわたる審査があり、加入が認められる。


現在加盟している村はフランス全国21地方69県に157村(仏領レユニオン島の1村含む)。
加盟村が群をぬいて多いのは南仏ミディ・ピレネー地方で、「2012年度フランス人の最も好きな村」に選ばれたサン・シール・ラポピー村「画家トゥールーズ=ロートレック(貴族)ファミリーのふるさと」ロートレック村など31村を数える。

フランス全国の「最も美しい村々」では博物館あるいはテーマパークのようになることなく、自然で素朴な魅力を保つ努力が続けられている。このような村を訪ねれば、泉水や樹齢何百年のプラタナスの木陰の広場、瓦屋根の家並みなどの景観に心いやされることだろう。