ミディ・ピレネー地方に集まる31の「美しい村々」

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ミディ・ピレネー地方に集まる31の「美しい村々」

フランス22地方のなかでも群を抜いて「美しい村」の登録村が多いのがミディ・ピレネー地方だ。31を数える美しい村の中からいくつかをご紹介しよう。フランスの奥座敷ともいうべき南西部の魅力を探る旅はいかが。


★コンク Conques (アヴェロン県) 
山深い豊かな自然に包まれたドゥルドゥー渓谷の小村コンクはコンポステラ巡礼「ルピュイの道」の重要な参詣地として栄えてきた。中世から時を止めたかのような村、ロマネスク様式の大聖堂教会、サント・フォワに捧げられた金銀細工の宝物がこの村の見どころ。まだローマでキリスト教が迫害されていた4世紀初頭、近郊のアジャンで信仰を貫き殉教した13歳の少女は後に列聖され聖フォアとなった。11世紀、大聖堂教会の建設を目指していたコンクでは祀るべき聖遺物を求めていたところ、ある修道士がその熱意のあまり、アジャンから黄金の聖フォワの聖遺物像を盗んでこの地に移設する。次々と起こる奇跡。評判が評判を呼び寄進が相次いだのであった。聖遺物を入れた黄金の座像は数々の宝石を身にまとうようになり、きらびやかな輝きを今も放っている。この「サント・フォワの宝物」がコンクの重要な見どころ。そしてまた、124の彫像が刻まれたサント・フォワ教会の「最後の審判」のタンパンも必見である。御堂を飾る彫刻は実に精緻で物語性に富んだものである。


★オトワール Autoire (ロット県) 
カルスト台地の断崖から流れる滝が印象的な隠れ里。こげ茶色の屋根と、壁石を積み上げた印象的な四角い壁の民家が並ぶ中世の村の城は百年戦争の際に英国軍の敗残兵が拠点としたそう。城の建設は16世紀前半。王家の館を思わせるほどの立派な彫刻を施されたルネサンスの館の建設は未完に終わっている。 


★サン・シル・ラポピー Saint-Cirq Lapopie (ロット県) 
先ごろフランスのテレビ局が企画した「フランス人が好む村」初代のチャンピオンに輝いたのが、このサン・シル・ラポピー村だ。ロット渓谷の断崖に立つ村は古代ガリア・ローマの時代にその歴史をさかのぼることができる。中世の頃には鷲の巣村の形状となり、村全体が一つの要塞として機能していた。当地は英仏百年戦争の前線に位置しており、周囲を見晴らすのにうってつけのこの村は要塞としての価値を認められていた。今では頂きにある城跡が残るのみです。村の美しさはよく知られ、近代になっても多くの芸術家たちに愛されてきた。シュール・レアリスム運動で知られるアンドレ・ブルトンも長くこの地に暮らした。


ミディ・ピレネー地方県別 「フランスの最も美しい村」リスト


■アリエージュ県
カモン Camon
サンリジエ Saint-Lizier
■アヴェロン県
ベルカステル Belcastel
ブルス・ル・シャトー Brousse-le-Château
コンク Conques
ラ・クヴェトワラード La Couvertoirade
エスタン Estaing
ナジャック Najac
ペール Peyre
サン・コム・ドルト Saint-Côme-d'Olt
サント・ユラリ・ドルト Sainte-Eulalie-d'Olt
ソヴテール・ド・ルエルグ Sauveterre-de-Rouergue
■オート=ガロンヌ県
サン・ベルトラン・ド・コマンジュ Saint-Bertrand-de-Comminges
■ジェルス県
フルセ Fourcès
ラレサングル Larressingle
ラヴァルダン Lavardens
モンレアル Montréal
サラン Sarrant                                            
■ロット県
オトワール Autoire
カプデナック Capdenac
カルダイヤック Cardaillac
カレナック Carennac
ルブレサック Loubressac
サン・シル・ラポピー Saint-Cirq Lapopie
■タルン県
カステルノ・ド・モンミラル Castelnau-de-Montmiral
ロートレック Lautrec
モネスティエ Monestiés
ピュイセルシ Puycelci
■タルン=エ=ガロンヌ県
オヴィラール Auvillar
ブリュニケル Bruniquel
ロゼルト Lauzerte