ルルドの聖域 奇跡の洞窟、ベルナデットゆかりの地

  • Fidèles tenant des lumignons pendant un office à Lourdes.

    Fidèles tenant des lumignons pendant un office à Lourdes.

    © Atout France/Danièle Taulin−Hommel

ルルドの聖域 奇跡の洞窟、ベルナデットゆかりの地 ルルド fr

聖母マリアが現れ、いくつもの奇蹟が起きたとして世界的に有名なキリスト教の聖地。19世紀半ばからこれまでに66の奇蹟が起こったと言われます。人口約1万5000人のこの町に、世界130カ国から年間500万人もの人々が奇蹟を求めて訪れます。ホテルの数はなんとパリに次いで多く、施設も整っています。訪れる人の目的は礼拝だけではありません。同じ苦しみを持った人同士のコミュニケーション、そしてピレネー山脈の自然とふれあうための拠点ともなっています。

 

聖域

人口4000人ほどのピレネー山麓の小さな村が聖地となったのは19世紀のこと。貧しい少女の前に聖母マリアが出現し、奇蹟が起きたことがきっかけです。

1858年2月11日、貧しい家庭に生まれた14歳の少女ベルナデット・スービルーが妹と共に山で薪を拾っていたところ、洞窟で白いドレスに白いベールをまとい、青いベルトと黄色のバラの花を身につけた聖母マリアに出会いました。その後18回に渡ってマリアはベルナデットの前に出現し、9回目の出現の時、マリアのお告げによってベルナデットが手を触れた地面から泉が沸きだし、その水を飲んだ人は病気が治るという奇蹟が続きました。その話はまたたく間にフランス中に広がり、鉄道の敷設に伴ってヨーロッパ各地から奇蹟を求める人々が訪れるようになったのです。

洞窟の上には聖堂が建てられ、聖域となりました。今では、いくつもの聖堂があり、船底をイメージした聖ピオ10世地下聖堂 Basilique souterraine St.Pie.X は、2万5000人を収容してミサを行うことができる世界で3番目に大きな聖堂です。野外広場では水曜と日曜に朝のミサが、毎日、午後9時15分から夜のミサが行われます。ロウソクを手にした人々が広場を行進し、祈りを捧げて洞窟へ。神聖な空気と参加者の熱気に圧倒されます。

 

奇蹟の洞窟

洞窟の周辺は常に行列がありますが、車椅子やストレッチャーに乗せられた人が優先的に近くに行くことができます。洞窟の奥に建てられた白いマリア像の左下には、今もこんこんと湧きつづける泉があり、そこでは我をも失わんばかりに祈りを捧げている人も見られます。泉の水は、水汲み場の水道から自由に汲むことができ、ボトルに詰めて持ち帰る人がたくさんいます。

 

ベルナデットゆかりの地

聖域の周辺は土産物屋がひしめきあい、聖母マリアやベルナデットをあしらった、ありとあらゆるグッズが売られています。少し歩くとベルナデットにゆかりのある場所がいくつかあります。製粉場だった生家 Moulin de Boly 、洗礼を受けた教会 Eglise Paroissiale du Château-Fort 、父親の家 Maison Paternelle …。通りにはベルナデットのイラストをあしらった道案内板が出ています。人々は、ベルナデットゆかりの地でも祈りを捧げていきます。「独房」は、かつては牢屋だった建物を貧しい人々に開放した施設です。ベッドと整理箱しかない、粗末で不潔な小さな部屋に一家6人で住んでいました。

 

城塞/ピレネー博物館

ルルドは中世の時代から軍事的に重要な土地でした。街を見下ろす高台にある要塞はビゴール伯爵の城跡です。宗教戦争や地震などで何度も被害を受けて修復を重ね、牢獄として使われたこともありました。11~12世紀のロマネスク様式、13~14世紀のゴシック様式の城壁の一部が残っています。高台からはピレネーの山々に抱かれたルルドの街が一望の下。聖域を見ると楕円形の緑地の下が大きな地下聖堂になっているのがわかります。1921年からはピレネー博物館となり、農具や馬具、家具、食器、衣装、靴…、フランスとスペインにまたがるピレネーの民俗文化が幅広く展示されています。庭園にあるミニチュアはピレネー地方の村々。建築様式の違いや人々の暮らしぶりがわかります。塔の内部はピレネー地方の資料を保存する図書館となっています。

 

交通アクセス:

パリからTGV直通利用で約5時間40分、トゥールーズから2時間~2時間30分。