ファーブル博物館/ミクロポリス

ファーブル博物館/ミクロポリス サン・レオン fr

アヴェイロン県のほぼ中心、レヴェズー湖地域は自然に恵まれた虫たちの宝庫。昆虫学者のファーブルは谷間にある小さな村サン・レオンで生まれ、幼少期を過ごしました。カンヌ国際映画祭で高等技術賞を受賞した映画『ミクロコスモス』は、アヴェイロン県の田園地帯の美しい原野を舞台にして昆虫の生態を描いています。そして2000年6月、ここにフランス初の本格的昆虫館「ミクロポリス」がオープンしました。


 


 



 


 


ミクロポリス


フランス唯一の本格的な昆虫館。「学ぶ、理解する、楽しむ、熱中する」ことを主旨として企画され、訪れた人々が未知の世界を発見できるようになっています。村を見下ろす丘の上に、花のような形のいくつもの小さな銅の屋根が並び、その連なりは毛虫が動いているようにうねっています。もともとの自然環境を破壊せず、丘の勾配をそのまま使って2400平方メートルの建物を配置しています。虫たちの歓迎の声を聞きながら狭い通路を通って受付へ向かって歩いていると、だんだん虫の気持ちに近づいてきます。


館内の11の展示場では昆虫を知るためのさまざまな仕掛けが用意されています。例えば「6本の脚、3つの部分からなる胴、触覚、6つの口腔、複眼、2つの複羽」は昆虫の定義。それが人体模型で表現されています。現代アートのオブジェのようですが、SFやゲームの登場キャラクターにいそうな姿です。昆虫たちの社会行動、植物に害を与える虫、植物と共存する虫、擬態する虫、花を食べる虫と虫を食べる花…。さまざまなテーマが趣向を凝らして展示されています。映写室では『ミクロコスモス』の一部が上映され、映写室へ向かう通路に沿ってある手すり状のショーケースには、虫たちが行列を作っています。科、目から一例づつピックアップされた400種の昆虫標本が、雌雄カップルとなり、礼儀正しく入場の順番待ちをしているという様相。昆虫を観察するだけではなく、人間に置き換えるなどの方法で、よりわかりやすく生態を理解することができ、子供はもちろん、大人でも楽しめます。


http://www.micropolis-aveyron.com


 


 


サン・レオン村


ファーブルの生まれ故郷のサン・レオン村は標高800mの、夏でも涼しい高原地帯の石灰質の谷間にあります。中世の時代、ベネディクト派の修道院を中心に谷間にひらかれた村は、ファーブルの表現を借りれば「丘の上は急斜面なので、至る所で土止めしてあって、村全体が階段状」になっています。「宙にういているよう」な城は15世紀に建てられた立派なもので、今でも残っています。彼はこの村で9歳まで過ごしました。『昆虫記』や『思い出の記』など、ファーブルの著作物には、しばしばサン・レオンで過ごした少年時代の話が登場します。「丘の上、お城の後を通っている小径」を行くと「子供のときよろこびであった沼」があります。今では「ファーブルの沼」と呼ばれているこの沼では、オタマジャクシやイモリ、葦の間のイサゴムシ(トビゲラの幼虫)、ゲンゴロウ、ミズスマシ、マツモムシを飽きずに見ていました。ローヌ川も地中海も見た晩年のファーブルが「お前の美しさは、私の心に最初に刻みつけられた貴い詩だ」と語った「思い出の小川」もあります。ファーブル少年は、この村で自然への興味と愛情、学問への熱意を身につけました。


 


 


ファーブル博物館


ミクロポリスからサン・レオン村を見てください。城の手前のやや左側に、庭に像の立つ家が見えます。それが昆虫学者であり作家、詩人、芸術家でもあったジャン・アンリ・ファーブル Jean-Henri Fabre (1823-1877)の生家。左手で上着の襟を立てて光をさえぎり、右手に持った虫眼鏡で木にいる虫を観察しているファーブル像は、トレードマークのつばの広い帽子をかぶっています。外壁には鉄で造られたアリのオブジェ。石を積み重ねて造った小さな家で、ベッドや机、鍋やひしゃくなどの生活用具も当時の様子が再現されています。


両親がしまい忘れていた20フランを持ち出して鍛冶屋と指物師にガラスの水槽を作ってもらい、石灰質の水垢の塊を入れてイサゴムシの仕事ぶりを観察した、というエピソードはここに住んでいた頃のもの。教師の月給が70フランほどの時代ですから、20フランは大金。その後、どうなったかについては語られていません。


 


 



 


 


交通アクセス:
電車、バスなどの公共の交通機関はありません。ロデズ Rodez から40km、ミヨー Millau から20km。