駅舎の旅-サン・ラザール駅

駅舎の旅-サン・ラザール駅 13, rue d'Amsterdam  75008  Paris fr

駅舎の旅-サン・ラザール駅(Gare Saint-Lazare)


作家レーモン・クノーが書いた奇妙な(小説?とも確信を持って言えないので)著作である『文体練習』(1947年)では「バスの中で見かけた乗客を罵倒する若者を、2時間後に別の場所でもう一度見かける」という話を99通りの文体で示しているのだが、その舞台がサン=ラザール駅前のローマ広場である。この本を読んだ人ならばサン=ラザール駅はどこか特別な響きを持った場所になっているはずである。

まず、この駅はパリの中の駅の中でも最も古い歴史を持つ駅として知られている。

折しもナポレオン3世とオスマン知事によってパリの改造が進められていたころ。この地域はオペラ座の周りに作られた繁華街の傍にあり、新しいテクノロジーによる交通のヨーロッパの中心であることを意識的に示そうとしていたと言えよう。

初めての駅だったこともあり19世紀の印象派絵画との関わりが深く、多くの画家が描いた。モネはこの駅の連作を描き、モネに限らず多くの印象派の画家がポントワーズ、エトルタ、ルーアン等、当駅から発車する列車が向かうセーヌ川下流の町は当時の印象派の画家に好んで描かれる舞台となった。

絵にも物語の舞台ともなったこの駅とその界隈。『文体練習』の舞台になったのもたまたまではなく、近代の神話の舞台なのかもしれない。


住所 13, rue d'Amsterdam 75008 Paris


現在はコンコルド・オペラ・パリというホテルになっているターミナルホテルもあるクラシカルな駅舎度★★★★★